ガイア最新話感想

第8話

46億年の亡霊

放映日

1998年10月24日

登場怪獣

超空間共生怪獣
 クラブガン、アネモス


脚本

武上 純希

監督

児玉 高志

特技監督

佐川 和夫


ストーリー

「根源的破滅招来体の目的は?」
「人類は破滅するのか?」

テレビにこれらの言葉が大きく映され、KCBのレポーター吉井怜子は、
話し始めた。
今までに出現した怪獣達は、分類できないほどバラバラであり、
それらが根源的破滅招来体であったとすれば、目的は何なのか?
人類はこのまま破滅していく運命なのか?
希望として、ウルトラマンの存在があること・・・。

そんなテレビのレポートを聞きながら、研究を続けていた「浅野未来」は、
何かを感じた。
「・・・来る。」

次の日の朝、大沼ダム付近に巨大な生物が出現した。
XIG司令室では、石室コマンダー、堤チーフそして我夢がその映像を見ていた。
その時、XIGネットワークに侵入者が入ってきた。
女性の声がスピーカーから流れてきた。
「その生物に近づいてはいけない。意識してもいけない。」
我夢は何かに気づき、石室に侵入者の言うとおりにするように伝えると、
自分はファイターEXでジオベースまで行き、そこで車を借り目的地向かった・・。
我夢が訪れたところは、「浅野古代生物研究所」というところだった。
我夢は中に入ろうとしたが、電磁バリヤーが張りめぐらせれているためにできなかった。
我夢は、建物に向かって叫んだ。
「未来、君なんだろ?エリアルベースに通信してくれたのは?」
アルケミースターズで、古代生物学の第一人者の「浅野 未来」は、
我夢にこう言いながら出てきた。
「私の警告は届いているはず。あなただって例外じゃないわ、我夢。」
そういってバリヤーの電源を切り、我夢を建物の中へ入れてくれた。
未来は、大沼ダムに出現した生物は、古代カンブリア紀に絶滅した
アネモスの幽霊であり、正確には過去の生物の残留思念が物質化したといった。
そしてその幽霊は、意識する人間が増えることによって目覚めてしまうと言うのであった。
XIGでは、アネモス周辺の警備を強化することにした。

KBCクルーは大沼ダムへと向かっていた。
しかし、大沼ダムへの道はGUARDが「火山性ガスが発生した」と
いい、進入禁止になっていた。
彼等は迂回して、山道を入っていった。
KBCのクルーは、ネットの情報で大沼ダム近辺で何かあることを聞きつけ、
調査に向かったのだった。
そして、彼等はアネモスを発見し、生中継で全国へアネモスをテレビ中継したのだった!

テレビ中継で人々の注目を浴びたアネモスは、ついに目覚めてしまった!
KBCのレポーター吉井は、アネモスから吐き出された紫色の液体を浴びてしまった。

我夢と未来は現場へと向かっていた。
我夢は、コッヴが出現したことによって量子力学的レベルの不可知領域にいたアネモスを
甦らせたのだと推測した。
しかし未来は、我夢の推測を直感的だといい、アネモスの出現は地球に選ばれず滅んでしまった
悲しみを訴えるために現れたのだと反論した。

吉井は、河で液体をかぶったスーツを洗っていた。
しかし、その河は上流から紫色へと変わっていった・・・。

ジオベースのケミカルセクション、樋口からXIGへ入った連絡によると、
紫色の物質には人体に悪影響を及ぼす物質は検出されなかったが、アリやハチが情報伝達に使用する
「警報フェロモン」のような物質が確認された。
また、未来によると、アネモスはクラブガンという共生する生物がいるというのだった。
その時、隅田川を上る物体がいた。その生物は、アネモスへと近づきつつあった・・・。



今回は、古代から甦った生物が、実は人間の天敵であったという、なんとも恐ろしいお話でした。
脚本は、ティガ・ダイナで人間の影の部分として描き続けられた「エボリュウ細胞」の生みの親である、
武上 純希」さんでした。

KBCのプロデューサーである田端さんは局に缶詰になっていたようですが、
本当は「円谷 浩」さんの都合が悪かっただけなんでしょうね(^_^;)。
それはいいとして、アネモスの亡霊が、多くの人間が意識する事によって甦ってしまうという理屈は、
まるでKBCクルーという、ガイアのキーパーソン達に何かをやらせたいがために考えられたような
気がします。その何かは、もちろんテレビ中継させて、全国の人々にテレビを見せると言うことですね。

アルケミースターズの一人、「浅野未来」が登場しました。
彼女は、アネモスやクラブガンが母なる地球に選ばれず、悲しかった思いを聞いてもらうために甦ったのだと、
我夢に訴えます。
しかし、アネモスとクラブガンとが合体した完全体は、人間に黄色い霧を噴射し、人間を操り食べようとします。
我夢は、それをみて彼等は人間の天敵として目覚めさせられたのだといいますが、未来は言うことを聞かず、
その完全体へ、自分が悲しみの声を聞いて上げると訴えかけます。
しかし、完全体はその声を聞こうともせず、彼女を黄色い霧で包みそして口元へと運ぼうとするのでした。
幸い、ガイアによって未来は助けられました。
彼女の思いは、間違っていたのでしょうか?
彼女がまだ小さい頃、同じ古代生物学者であった両親が、モンゴルで行方不明になり、彼女は研究のために
見捨てられたのだと思っていたのでした。
彼女は、見捨てられたものの悲しい気持ちが自分には分かると言っていました。
彼女は化石の中から、地球に選ばれずに滅んでいった生物の声を聞き続けていたのです。
アネモスやクラブガンの声も、聞いていたに違いありません。
しかしそれは、どんなに緻密な研究であっても、結局は人間の想像の世界でしかないのです。
未来の、「両親が研究のために自分を捨てた」という気持ちが、アネモスは人間を食べるために甦ったわけではない
という思いを強くさせたのではないでしょうか?

アネモスが放った「警告フェロモン」が無数のクラブガンを甦らせ、そしてアネモスのところへ引き寄せていましたが、
ガイアにやられたとたんに、人間を破滅させるほどいたと思われるクラブガンは、一瞬にして消えてしまいました。
・・・アネモスは、なぜ一体だけしか目覚めさせられなかったのでしょうか?
ガイアがアネモスをやっつけることができれば、とりあえず今回の「ゲーム」は終了ということなのでしょうか?
そして、次の計画の実行にうつる・・・。

KBCの吉井キャスターは、

 「怪獣の種類はバラバラで、何の目的があって現れているの分からない。

といっていました。
誰かが、いろんな実験を人類に対して行っているのでしょうか?

未来が、地球は人類を見捨てるかも知れないと言う意見について、本人の前では言えませんでしたが、
我夢は一人でこうつぶやき反論したのでした。

 「人類を見捨てるつもりなら、ウルトラマンはいない

我夢は、「その名はガイア(第3話)」でも敦子に対してこう言っています。

 「根元破滅の危機となった今、彼は現れた。
  地球自身が使わしたんじゃないかなって、そう思うんだ。


今回は、その言葉よりももっと強い意志を示しました。
我夢は、「ウルトラマンは地球が使わした者」と断言しています。
この言葉が、これからのストーリーでどう生かされてくるのか、楽しみなところです。



次回は、いよいよ新しいチーム「チームシーガル」が登場します!

次回予告

シーガル飛びたつ

地球をえぐる灼熱の怪物体。そこにはレスキューに命を懸けた、もう一つの戦いがあった。
行けチームシーガル! 君なら何を救う?


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