ガイア最新話感想

第5話

もう一人の巨人

放映日

1998年10月3日

登場怪獣

大海魔 ボクラグ


脚本

小中 千昭

監督

原田 昌樹

特技監督

北浦 嗣司


ストーリー

ジョジーは、作業員と話しながらファイターの格納庫を歩いていた。
作業員と別れると、我夢がファイターの内部を調べているのを見つける。
ジョジーが脅かすと、我夢は驚き回路をショートさせてしまった。
我夢は「純粋な技術的関心を持って」見ていただけだと言うが、回路が
ショートしていたことをネタに、ジョジーは我夢に口止め料を要求する。

敦子はオペレーター席で、ジョジーの食べているアイスクリームについて
質問すると、口止め料とだけいい、もちろん誰からもらったかは言わなかった。
しかし、敦子は後ろにいる我夢をにらんだ。
我夢はあわてふためいたが、その時、堤リーダーが司令室に入ってきて、
石室コマンダーが艦長室で呼んでいると伝えた。
我夢が艦長室にはいると、石室はパソコンを操作していた。
しばらく待つようにいわれ、我夢は部屋の中を見渡した。
我夢は部屋にある写真を見つけた。そこには石室の子供と妻が写っていた。
我夢は石室に子供がいることを聞くと、逆に石室から家族について聞かれてしまった。
我夢は、千葉の実家にいることを告げると、石室はこう言った。
「君の命は私が預かっている。本来いてはならぬものを、私の権限で認めさせたんだ。」
その言葉を聞いて、我夢はお礼を言った。
石室は、両親への連絡を電話で簡単にすまそうとする我夢に、ちゃんと顔を見せて話して
くるように言った。

我夢は、エリアルベースから、午後の定期便で実家のある千葉へと向かった。
定期便から海を眺めていた我夢は、海中を動く巨大な影を発見した。
すぐにXIG司令室へと連絡するが、なぜかセンサーには反応しなかった・・・。

その頃、薄暗い部屋の中で一人の男が体を鍛えていた。
その男の目の前にある壁には、ウルトラマンガイアに関する雑誌の切り抜きが
ぎっしり張られていた。男はそれを見つめていた・・・。

我夢は地上でバスに乗り、実家近くのバス停で降りた。
我夢はその近くの浜辺に立って、昔のことを思い出した。
子供の頃は、勉強ばかりしているといじめられていた・・・。

敦子は、ジョジーにしつこく口止め料のアイスのことを追求していた。
しかし、敦子と話しているうちに我夢からもらったことをつい口走ってしまい、
慌ててしまった。その時、センサーが千葉沖海中に移動物体を発見するが、
反応はすぐに消えてしまった・・・。
石室はチームマーリンで海中を捜索しようとするが、堤チーフの提案により、
ピースキャリーにて捜索することにした。

我夢は実家の前まで来るが入りづらく、玄関前でもたもたしていた。
その時、母「重美」が自転車で帰ってきた。我夢は慌てて、母が好きな
エスプレッソ用コーヒーとチーズケーキをおみやげだと差し出す。
重美は早く家にはいるようにいい、我夢もついていった。
重美は縁側にいる我夢のところにスイカを持ってきた。
重美は、我夢に大学を辞めたんだね、と話をするが、特にとがめるわけでもなく
自分で好きなことをするようにと言った。
我夢は、スイカを食べながらふるさとの良さを味わっていた・・・。
その時突然、怪獣「ボクラグ」が千葉に上陸してきた!

・・・男の部屋では、パソコンのNETNEWSが「千葉県に怪獣出現!!」
と知らしていた。男はそれを見てニヤリと笑ったようだった・・・。

我夢はさっそくXIGと連絡をとった。地上へ上がるまで発見できなかったことを
我夢は疑問に思っていた。
重美は自分で避難するといい、我夢は現場へと向かって走っていこうとした。
だが母の方を振り向き、
「かあさん、僕さぁこの町ってあんまり好きじゃなかった。
 でも今はすごく帰ってきてよかったと思っている!」
と言い、そして、走っていった。
重美は小さく「ウン」といってうなずいた・・・。

我夢は現場に到着すると、ファイターで怪獣に攻撃を仕掛けている
北田に、怪獣の放つ霧のサンプリングを依頼する。
サンプリングデータはXIGへと転送され、結果は敦子から連絡が入った。
霧の成分は塩化カリウムを含む水分で無害だと言うことだった。
我夢はその結果に基づいて、以下のように分析した。
「怪獣の質量のほとんどは海水で、体温も高くないのでスキャナには引っかからなかった。
 ミサイルで攻撃しても、その程度の火力ではすぐに消えてしまう。」
我夢は、ガイアに変身しようとした。
その時そばに人の気配を感じた。その方向を見ると、男が立っていた。
男は我夢の方を向くと、腕につけているマシンを開き青いウルトラマン
「ウルトラマンアグル」へと変身した!
アグルを見て、石室コマンダーはつぶやいた。
「ウルトラマンは一人じゃないのか・・・。」

アグルは我夢を見つめていた。
そしてそのアグルを見つめ返している我夢はこう言った。
「あのときのウルトラマン・・・まさか、あいつがウルトラマンだったなんて・・・。」

アグルとボクラグのバトルが始まった!
アグルは光のサーベルで怪獣を切り刻んだ。しかし、怪獣は海水を放出し
もとへと戻ってしまった!
アグルは怪獣のカニばさみ状の手で、首を捕まれてしまった。
アグルのカラータイマーが点滅し始めた。
「ガイアー!」我夢はそう叫び、エスプレンダーをかかげ、ガイアに変身した!
ガイアは、怪獣の手を切断したが、またも腕から海水を放出しカニばさみが再生した。
頭も蹴り飛ばしたが、同じように再生してしまった。
ガイアも苦戦を強いられてしまう。そして、アグル同様にカニばさみで怪獣に
捕まってしまう。そしてカラータイマーが点滅し始めた・・・。
自由になったアグルは、ガイアが捕らえられているにもかかわらず、
怪獣に向けて球状のビームを発射した!!
・・・怪獣は蒸発し、水蒸気の中からガイアの姿が現れた・・・。
戦いが終わったアグルとガイアは飛び去っていった。
それを見た梶尾リーダーは一言つぶやいた。
「あのどちらかと戦うことになるのか?」

もとへ戻った我夢は夕方の岩場に立ち、くやしがった
「くそ!頭の中じゃもと動けるのに!」
顔を上げると、あの男がまた立っていた。
そして、我夢の方を見て言った。
「我夢、君が二番目だったんだ。」
「藤宮、藤宮博也君だろ?どうして君がウルトラマン・・・。」
我夢が言いかけるのを遮り、博也は語り始めた。
「根元的破滅将来体を阻止できるのは、アルケミー・スターズなんて
 仲良しグループじゃない。それが分かったから俺は辞めた。
 地球にとって人類はガン細胞だよ。増殖し続け、地球を汚すだけの存在。」
「そんな・・・。」
我夢は落胆の声を上げる。
「ウルトラマンは地球を守るものだ。しかし、存在理由を持たない人間までを救う義務はない!」
そして、我夢を指さし言った。
「XIGなんかやめてしまえ!俺を手伝うことが君のなすべきことだ!」
我夢は叫んだ。
「違う!絶対に君の考えは間違っているぞ!!」



感想

今回は、ついにアグルに変身する「藤宮博也」がアグレイターで変身しました!
そして、博也自身のウルトラマンの考えを我夢へ訴えた、ストーリー的には
非常に意味のある回であったと思います。

脚本、監督、特技のこのトリオは、まさに「黄金トリオ」といってもいいでしょう。
なんといっても、ウルトラマンティガのラスト3部作の最初のストーリー
もっと高く!(第50話)」を手がけた3人なんですから!!
私としては、非常に良いできであったと満足しています。

今回はなんといっても、ジョジーの活躍(?)でしょう(^_^;)。
我夢がファイターを無断でいじっているところを見かけ、そのことをネタに
「口止め料」を払わせる。
・・・それがアイスクリーム!!(^_^;)
確かにジョジーは我夢のことを子供だなんて言ってはいませんが、我夢もジョジーも
子供みたいですね。アイスクリームで口止めさせるし、それで口止めする方もする方だし。
敦子が我夢をにらみつけたところは、敦子がアップになっていましたが、怖い感じが
よく出ていて、とても良かったです。さすが原田監督。いい味だしています!

博也の部屋に張ってあった雑誌の切り抜きの見出しを集めてみました。

 ・地球の救世主か?
 ・誰が為に君は戦う
 ・その名は「ウルトラマンガイア」
 ・「現実」のハルマゲドン TOKYO 7.16

一番最後の見出しは、写真週刊誌のようなものの見出しでした。
この世の中でウルトラマンが怪獣と戦ったらあのように書くのでしょうね。
それから「NewsSpeak」という雑誌の表紙もありましたね。

我夢は千葉の実家へと帰りました。
小さい頃から勉強ができ、他の子たちとは違う自分。
いじめられた思い出が残るところ・・・。
嫌いな町であった千葉も、母「重美」が優しく迎えてくれて、ゆったりとした時間を
少しでも過ごせたおかげで、懐かしい、思い出の一杯詰まったところであることに
我夢は気づいたようでした。
・・・我夢は一人っ子なんですね(^_^;)。

博也がアグルに変身しました。アグレイダーもついに登場です!
あれも、博也が自分で作ったものなのでしょうね、たぶん。
しかし、アグルに変身する彼も、アルケミースターであったとは。
アルケミースターの出現と、ウルトラマンの出現には何か密接な関係があるような気がします。

それにしても、アグルの登場は「ターミネーター」の登場の仕方そっくりでしたね。
しかも手からサーベルが出てくるし。これで、体がドロドロに溶けてどこでも自由に
通り抜けられるなんて言ったら、「ターミネーター2」になってしまいますが(^_^;)。

アグルは怪獣に捕らえられているガイアにかまわず、怪獣に向けて球状の光線を放ちます。
(この光線、ティガと同じ??)
しかし、アグルはガイアを傷つけない自信があったのでしょうか?それとも・・・。

博也は自分自身がなぜウルトラマンになったかを語ります。
しかし、どうしてウルトラマンになれたのかはまでは語っていません。
この点については、これからのストーリーで明らかになっていくのでしょう。
博也の考えている正義は、以下のセリフにあります。

 「地球にとって人類はガン細胞だよ。増殖し続け、地球を汚すだけの存在。
 「ウルトラマンは地球を守るものだ。しかし、存在理由を持たない人間までを救う義務はない!

ウルトラマンは地球を守るために現れた。しかし、地球を守ることと人類を救うこととは
実は同義ではない。地球が自らを守るために送り出したものがウルトラマン・・・。
近年、未知のウィルスによって引き起こされる病気がたくさん出てきました。
これも、地球上で増殖し続ける人間を抑制するための手段を自然が作り出している、
こう見ることもできないことはありません。
人間も地球から見たらウィルスのような存在なのかも知れません。
人間の中にもたくさんのウィルスが存在しています。そのウィルスがどう作用するかによって
人間の中で必要な物か不必要な物かに分けられます。
地球を生き物として例えれば、地球が人間というウィルスを必要とするかどうかは、
我々人間達が地球に対して何をするかによって決まってくるのです。

ウルトラマンは、果たして人類を「地球のために救ってくれるもの」なのか
地球のために抑制するもの」なのか。

この答えは、このガイアのストーリーが出す、究極の答えなのではないでしょうか。


次回は、大きな眼があなたを笑います・・・。

次回予告

あざ笑う眼

不気味な眼がXIGを笑う。眼が我夢を笑う。
眼がガイアを!君も笑われている・・・。


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