ガイア最新話感想

第46話

襲撃の森

放映日

1999年7月24日

登場怪獣

自然コントロールマシン
シンリョク


脚本

長谷川 圭一

監督

原田 昌樹

特技監督

満留 浩昌


ストーリー

作成

くらむぼん

エリアルベース
廊下でカジュアルな服を着た我夢が、スーツにネクタイをつけた梶尾を見かける。梶尾は先日の闘いの傷が生々
しく、右手に包帯を巻き、額にも四角いガーゼで傷口をふさいでいた。我夢は友達に頼まれて下に降りるらし
い。何の用で降りるのか尋ねられた梶尾は、お茶を濁して答えない。その態度を見て我夢はピ〜ンときた。
「そ〜いうことですか。。。」とニヤニヤしながら先に行ってしまった。

「こ〜んげ〜ん、はめ〜つぅ〜〜〜(パンパンと杖をついて拍子をとる)
こ〜んげ〜ん、はめ〜つぅ〜〜〜(パンパン)
こ〜んげ〜ん、はめ〜つぅ〜〜〜(パンパン)」
晴れた空の下、根元破滅教団の数十人が練り歩いている。先頭には白装束のような格好に頭巾をかぶった、
どことなくネズミに似ている教祖が歩いている。(お前はネズミ男か!?) 広場に出た教団は、一段高いところ
にネズミ顔の教祖が腰掛けに座ると、信者たちはじっと教祖が口を開くのを待った。
「レミングってご存知ですか?
 数年に一度、大繁殖の帳尻あわせで集団自殺すると言われているネズミのことです。
 彼らは、なぜそんなことをするのでしょう?
 きっと、彼らには聞こえているのでしょう。そう!地球の声がぁ〜〜〜!
 地球に命令され、彼らは何の疑いもなく死んでゆくんです。つまり、ピュアにね。
 人間だけがその命令を聞く力を失ってしまったぁ〜!つまり、本能が壊れてしまったんです!
 だから、今、来たんです。彼らが。根元破滅が!」
「こ〜んげ〜ん、はめ〜つ!
こ〜んげ〜ん、はめ〜つ!
こ〜んげ〜ん、はめ〜つ!」
信者たちは声を揃えて興奮して叫んだ。なんとその中に我夢の友人であるサトウも居る。信者たちの背後には
小さな噴水の池があり、その後ろは数メートルの高さの壁で仕切られている。その壁の上には、とんでもなく
胡散臭い教団にハマッてしまったサトウの姿を見ているマコト、ナカジ、そして我夢の姿があった。サトウが
こんな教団にハマッてしまったきっかけは、インターネットで知った“人類救済の会”というフォーラムに
参加して、そこの常連の“女の子”と意気投合してからだという。(目的は女の子かい!?) 
ナカジは「放っておけ」と冷たく言い捨てるが、「友達を放っておけるわけないだろ!」と我夢たちは、信者
の輪の中にとび込んで行き、サトウを説得しようとした。しかし、逆に信者たちに取り囲まれ、じりじりと池
の方へと追いつめられてしまう。先頭の女の子(彼女がサトウが一目ボレした相手だ!)が、我夢の額を軽く突く
と、我夢たち三人はあっけなく池に落ちてしまった。

とある湾岸の公園
海を見つめながら律子は梶尾に語る。
「いつも、きっと帰ってくると信じて、待つことしか出来なくって・・・
 ある時、帰ってこなくって・・・」
そう言いながら、律子は海にドライフラワーの花束を投げた。
「自分は・・・」
梶尾は律子の言わんとしていることがわかっているだけに答えることができない。
「梶尾さん、あなたは必ず帰ってきてきれますか?」
「・・・」

エリアルベースに戻った我夢はコマンドルームで一人、藤宮が我夢に語ったことを思い出していた。
“我夢、俺はまだ時々疑うことがある。奴らを呼び寄せるのは、やはり人間なのかもしれないってな・・・”
その言葉が心に引っかかりながらも、必死に否定して独り言を言う我夢。
その後ろを敦子が通り、「何ひとりで喋ってんの」と冷たく言い捨てられる我夢(^ ^;;;
しかし、席に戻った敦子は、巨大なエネルギー体が地下より上昇しているのを検知した。そこはサトウの居る
教団が集会をしていた場所だ!教祖は、まだその場所で説教?を続けていた。
「破滅を受け入れ、美しく滅びること。それが人類に与えられた最良の選択なのです!」
「そして私たちは生まれ変わる。」サトウの一目ボレした女の子が怪しく語った。
そこへ地響きが鳴り地が揺れだした。教祖は自分の説教に呼応したのだと、
とんでもない勘違いをして歓喜して叫んだ。
「来たぁ〜!来たぁ〜!!根元破滅を導きたまえ〜!我らを救いたまえ〜!!」
しかし、そんな似非教祖の言葉を聞く耳など持つはずもない。巨大なエネルギー体は、地上に緑色の巨大な
植物のつるを次々に突き出していった。驚いた教祖は血相を変えて逃げ回る。が、突き出してきた植物のつる
に、はるか上空まで突き飛ばされてしまった。>(@o@)<
地上に突き出した植物のつるは次々と森に姿を変え、森は物凄い勢いで増殖してゆき街を破壊していく。
出撃したライトニングが現地に到着した。冷却弾で森の進行を阻止するが、森の再生スピードの方が上回り
効果が無い。エリアルベースのコマンドルームモニタは、森の中にそびえ立つ塔を映し出していた。
「コマンダー、塔に文字が!」堤チーフが不審に言う。
「シンリョク・・・深き緑・・・。これで3度目だ・・・」
石室は、テンカイ(天界)、エンザン(炎山)のことを思い出していた。
「あれも、自然コントロールマシン・・・」我夢がつぶやいた。
街を次々に破壊してゆく森は、首都圏まであと12時間の勢いで増殖してゆく。千葉参謀は被害を最小限に
食い止めねばと、暗に被害区域の犠牲を覚悟させる。堤チーフは、千葉の言葉を予測して、あらかじめチーム
クロウのファイターにファイヤーBOMの搭載指示を出していた。しかし、我夢は何か根本的解決法が見つか
らないかと、アルケミースターズのネットに森のデータを送信していた。
「我夢、あなた宛てに緊急通信よ。」敦子が我夢に伝える。
「来た!」我夢の予想通り、増殖する森を止める策を伝えてきたのだろう。
モニタに映し出されたのは、キャサリンだった。我夢に親しげに手を振っている。
「キャス!」我夢も微笑みかえす。
(この時、我夢を見つめる敦子の手にはしっかりとペンが握られていた・・・
 なにか恐ろしげにジョジが敦子のペンを見つめる・・・)
キャサリンによれば、塔の構造は、彼女が開発した自然循環補助システムEntoと同じだという。
我夢は何者かがEntoの基本プログラムを利用したことを見抜いていた。至急、エリアルベースに呼ばれた
キャサリンは、塔内部の下層部にあるシステムを破壊すれば森の増殖を止められることを伝えた。
ピースキャリーでスティンガーを現地へ輸送することが決定した。我夢も同行する。
「ワタシも行くわ。」と我夢に言うキャサリン。
(その言葉に遂に、我夢とキャサリンをじっと見つめていた敦子は、無意識に
《バキッ!》
 とペンを折っていた。Oh!と恐怖で敦子を見つめるジョジ・・・)

キャップをかぶり戦闘用の服を着てスティンガーに乗り込んだキャサリンを見た、
ハーキュリーズのシマが言う。
「ど〜見ても、我夢より頼もしい。」
「いっそのこと、XIGに入隊するか。」吉田リーダーも、調子にのる。
「い〜ね〜。そんときゃ〜、チームハーキュリーズが面倒みてやるぜぇ。」
さらに調子に乗り、興奮状態のハーキュリーズ。
それを冷静に見ていた我夢が「のー天気すぎる・・・」とつぶやいた。
その言葉を聞き逃さなかったシマが、じろりと我夢をにらんで言った。
「ん・・・我夢、ナ・ニ・カ言ったか!?」
「いっ・・・いえ!、、、っいい、天気だなっ・・・って、、、(^ ^;;;」
現地に着いたピースキャリー。ノウ天気なハーキュリーズ達に、梶尾から「皆、必ず帰ってこいよ!」
と今度は超真剣な(すぎる?)連絡が入る。
ピースキャリーからスティンガーが投下され、塔の側に着地した。
(例によって、振動で自転車が横倒しになる。籠には“スティンガー被害者の会”とある。)
塔に向かってくるスティンガーを中から見つめる目があった。それはサトウが誘われたあの女だった。塔の
上部から光弾の攻撃がスティンガーを襲うが、ハーキュリーズも迎え撃ちながら前進し、塔の壁面を強行突破
して内部へ突入した。ハーキュリーズのメンバーはスティンガーの外へ出て銃を連射し、潜入してゆく我夢と
キャサリンを援護する。塔の内部深く入り込んだ2人は、情報伝達回路の中心部へ辿り着いた。すると、そこ
の植物の柱のような幹に腰掛けたあの女が現れ、銃を構え破壊しようとするキャサリンを見下ろして言った。
「お前には撃てはしない。キャサリン・ライアン。
 ・・・遠くない未来、人類は地球を死滅の危機に追いやり、それがいかなる科学技術によっても
 回避できないと知ったとき、ある決断を下した。
 “私たち”は大気を浄化した。氷を溶かし大地を洗い流した。
 そして人類を消去し、新しい種を蒔いた。」
「人間が自ら滅びることを選んだというのか!?」
そう叫びながら銃口を向ける我夢。しかし、我夢は瞬時に落下してきた植物のつるでできた柵に閉じ込められ
てしまった。隣に同じように捕らえられたサトウが、我夢を見て夢遊病者のように手招きしながら
「一緒に滅ぼう・・・レミングのように・・・」と我夢を誘う。女は余裕の笑みを浮かべて語り続けた。
「破滅招来体に私たちは未来から導かれたの。もっと早く人類に滅びてもらう為に・・・」
我夢はエスプレンダーを取り出すが、大地のエネルギーと未来を捨てた人間たちの思念にも守られていると
女が言う塔の中では、光を開放することができない。
「キャス!撃て!!」
大きな南国の花のような情報伝達回路の中心へ銃口を向けたキャサリンに、女が手を一振りすると、無数の
植物のつるが絡み付き動きを封じた。女は嘲笑いながら言う。
「人類は待つしかない。滅び去るその時を。フフフフフ・・・」
我夢は必死にキャサリンに呼びかける。
「未来はただ待つだけのものじゃない!今、今、自分に負けなければ、きっと変えられる!」
「ム・ダ・ヨ」と女は嘲笑するが、我夢も諦めない。
「自分自身で“未来”をつかめ!!!」
キャサリンは縛られながらも、徐々に銃口を向けた。その瞳に花のような中心部が映ったとき、迷わず引き金
を引いた。青ざめる女は中心部の爆発とともに悲鳴をあげながら消えていった。壁面に穴が開き、上空の光が
内部に差し込んだ。我夢はその光にエスプレンダーをかざしながら叫んだ。
「ガイアーーー!」
街を破壊しながら増殖する森は停止するものの、塔には森からエネルギーが集まり危険な状態になっていた。
ガイアはサトウとキャサリンを安全な場所へ連れ出し、シンリョクと対峙する。スティンガーに戻った
キャサリンを見てシマが「無事だったかぁー!」と喜ぶ。
「みんな我夢に助けられたわ。」
ガイアはシンリョクと闘うが、まばゆい光を浴びせられ倒れてしまう。シンリョクに踏みつけられるガイアを
スティンガーが援護する。立ち上がったガイアはフォトンエッジでカタをつけようとするが、森から無数の
つるが伸び、ガイアを縛り付け電気ショックを食らわせた。ガイアはよろけるように膝をつき、ライフゲージ
が赤く点滅を始めた。その時、梶尾のファイターが現れ、シンリョクを攻撃してガイアを援護した。
「負けるなぁーーー!」シマが叫ぶ。
「撃てぇーーー!!!」吉田リーダーがミサイル攻撃でガイアを援護する。
皆がガイアを信じて見つめている。ガイアは力を振り絞り、腕を足を縛り付けるつるを断ちながら、フォトン
エッジの構えにはいる。全力で鞭のような光刃をシンリョクに向けて放った。シンリョクは光の刃に包まれ
大爆発して消滅した。
「ガイア・・・」キャサリンは闘いを終えて雄々しく立つガイアを見つめた。
街を覆っていた森はすべて枯れ、夕焼けの空をピースキャリーが、ライトニングが帰ってゆく。

晴れた湾岸の公園
海を見ていた律子が、ゆっくりと歩いてくる梶尾に気づく。梶尾は律子の前に立ちきっぱりと言いながら、
真っ赤なバラの花一本を渡した。
「自分は帰ってきます。この闘いが終わったら、必ず。」
実は、その光景を近くの階段の下から、我夢が木にしがみつきながら覗いていた。梶尾が律子を抱きながら
唇をかさねた。それを見て興奮した我夢は、目を丸くさせながらしりぞき四つん這いで、息をハァ〜ハァ〜
させた。側の木陰に座っていたキャサリンが、変な我夢に顔をしかめる。「ドーしたの?」
梶尾と律子を見ていたのは我夢だけではなかった。敦子も橋の上から、律子の決心をあたたかく見守っていた。
「おねえちゃん、頑張って。」
噴水を背に公園の水辺に座っている藤宮に、以前、彼が救った少女が公園に咲く花を摘んで持ってきた。
ためらう藤宮に、少女は「花、嫌い?」と寂しげに尋ねる。
「・・・そんなことない。好きだよ。」藤宮はやさしく微笑むと、少女からその花を受け取った。
公園のベンチで、マコトやナカジが落ち込んでいるサトウを励ましていると、前を通りがかった女の子の後ろ
姿に見とれたサトウが、追いかけ声をかけた。が、振り向いた顔がシンリョクの女にソックリで、逃げ出す
始末。まあ、しかし、サトウも元通りに元気になったということだ。
「こ〜んげ〜ん、はめ〜つぅ〜・・・」「声が小さぁい(ゴホッゴホッ)」
あのネズミ顔の教祖は何と生きていた。悪運が強いのは教祖の資格があるということか?全身包帯を巻きなが
らも、“数人”の元気のない信者に、自分を乗せた板を担がせて練り歩いている。ほんとに懲りないが、これ
で根元破滅教団も先が見えた。
木陰に我夢と並んで座るキャサリンは、彼の横顔を見つめながら「愛は力よ」と、頬にキスをした。
うれし、恥ずかし、困ってもじもじの我夢。
闘いの後の平和な時間・・・それぞれの想いを抱きながら、この大切な一瞬を満喫していた。
空は何事もなかったかのように、青くさわやかに澄みわたっていた・・・

感想

作成

GEM!


今回は、自然コントロールマシンに決着をつけるためのストーリーを「長谷川 圭一」さんが書き上げました。
そして監督は、相変わらずいろんな仕掛けをする「原田 昌樹」さんで、特撮も、あの新セブンでも定評のある
「満留 浩昌」さんでした

お笑いタレントの「今田耕二」さんが、根元破滅教団の教祖としてゲスト出演されました。
彼はただ利用されていただけの存在のようですね。

我夢の独り言を言っているとき、通り過ぎる敦子が「なに独り言いっているの?」なんて言ってるし。
あの「ゴクリ!」とのどを鳴らすシーンがよかったですねぇ。前にもありましたね。
遊び心も忘れていない演出が好きです(^^)。

キャサリンの映像に、ペンを折ろうとするアッコ。
そして、キャサリンはドイツから飛んできたんですね(^_^;)。
キャサリンがXIGにやってきたときについにペンを折る。
ジョジーの驚いた顔がいいですね(^_^;)。

熱いチームハーキュリーズは、前回に続き大活躍です。
我夢とチームハーキュリーズとの関係はますますよくなっていくようで・・・。

スティンガーが地上へと降り立ったとき、自転車が倒れますが、
そこには、「スティンガー被害者の会 xxx代表 うちだてつや」と書かれていました(^_^;)。
この人は誰でしょうか?そして、スティンガー被害者の会って?

ガイアのキックでかなりへこみました。
シンリョクは以外にやわらかい物質のようですが・・・。

今回は、スプリームバージョンに変身せずに怪獣を倒しました。
これも、満留さんの演出なのでしょうか?

キャサリンは我夢の頬にキスをし、藤宮に助けられた藍ちゃんも藤宮の頬にキスをしました。
エンディングで、梶尾リーダーと敦子の姉のxxが、口づけをかわしました。
そして、我夢と藤宮のカットになったとき、藤宮の方をみていた我夢は顔をそらしました。
・・・これって我夢と藤宮が変な関係じゃないよという思いが込められている!?(^_^;)


次回は、XIGになにが起きるのか!?

次回予告

XIG壊滅!?

地球上のありとあらゆる生命を死滅させる「恐怖の大王」がやってきた!
石室コマンダーの決断とは?


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