ガイア最新話感想

第41話

アグル復活

放映日

1999年6月19日

登場怪獣

宇宙捕獲メカ獣 Σ(シグマ)ズイグル


脚本

吉田 伸

監督

村石 宏實
石川 整

特技監督

村石 宏實


ストーリー

作成

くらむぼん


海辺の洞窟の中に、ボロボロの服を着て頭を抱えながら横たわっている男が一人・・・。
何に苦悩しているのか?身を震わせて、その男は絶叫した。・・・その男は、藤宮だった・・・

時を同じくして、空にはワームホールが出現した。青空が暗雲に遮られてゆく。
エリアルベースで観測したパルスは、“ゾーリム”の時と全く同じものだ。
再び、あの巨大なゾーリムが姿を現すというのか!?
至急、チームクロウが出撃する。我夢も彼女らに続いた。
ワームホールからは金属の破片らしきものが一直線に地上に向かって噴出している。
その破片が地上で次々と形を成し、ロボットのようなΣ(シグマ)ズイグルとなった!
チームクロウは一斉攻撃を仕掛けるが、逆に、稲城リーダーのファイターは、
Σズイグルにロックされ標的とされてしまう。
その指から発射された光弾は、稲城のファイターめがけて、執拗に追ってくる。
必死に振り切ろうと全速で逃げる稲城。しかし、もう逃げ切れない・・・そう覚悟
した時、後方から一条の赤い光が飛来し、ファイターに命中寸前の光弾を叩き落とした。
「ガイア・・・!」安堵の溜め息を漏らす稲城リーダー。
さらにガイアは、上空からΣズイグルめがけキックを決める。
しかし、起き上がったΣズイグルも胸から光弾をガイアに向けて放った。
ガイアは両腕でガードするが、光弾が爆発した際に、なぜか腕に異様な電光が走った。
両手を見つめるガイア・・・、が、気を取り直し手から光弾を放つと、
Σズイグルは呆気なく破壊されバラバラに散ってしまった。それと共に、ワームホールも消えてしまった。

肩透かしな闘いを終え、光に戻ろうとしたガイアは、フラフラになって海へと向かって行く藤宮を発見した。
藤宮は魂の抜けたような表情で、一歩、また一歩と、海の中へと入って行く。
「藤宮!」
我夢が駆けつけ、ザブザブと海の中へ入っていった。
我夢が彼を抱きとめると、藤宮は焦点の定まらぬ目で遠くを見つめながら
「海が・・・呼んでいる・・・」そう言って倒れこんだ。

-----病院------
点滴を受けながら眠っている藤宮。医師は、
「彼が倒れたのは精神的な問題しか考えられない」と我夢に伝える。
確かに、藤宮の髪の毛は、所々、真っ白な髪の毛が混じっていた。彼の眠っている病室へ入ろうと
ドアノブに手をかけた我夢は、両手の甲にくっきりとついた放射状のアザに驚く。
不可解に思いながら病室へ入ると、そこに藤宮の姿はなかった。
探しに出た我夢は、海辺の岩の上に座り、静かに海を見つめる彼を見つけた。
そっと歩み寄る我夢に、彼は珍しく礼を口にした。
「世話になったようだな・・・」
そっと彼の隣に座った我夢にむかって、藤宮は静かに語り出した。
「海は生きている。さまざまな命を生み出し、疲れた魂が戻ってゆく。
 そんな生命の営みを、俺は見守りたかった。
 だが、俺のしたことは、結局、アグルの脅威で人を混乱に落し入れただけなんだ。
 結果、地底貫通弾が・・・。今はつぐないも出来ない・・・。」
「君は間違ってなんかいない。ほんの少し、結論を急ぎ過ぎただけだ。
 人間だって、変わらなきゃいけんないんだ。」
「人類は地球の一部だ。皮肉にも、アグルの力を失って初めてそう思った。
 我夢、お前はウルトラの力を失った自分を、想像したことがあるか。」
「力を失った自分・・・」
「俺はアグルの力を取り戻そうとした。だが、もう力は戻ってこない!
 それは、俺の心の底に、今でもクリシスの予測と同じものが眠っているからだ。
 あの時、クリシスの予測を知って、お前だったら同じことをしたか?」
「ああ、結果的には//」
「嘘だ!お前にそんな事は出来ない!俺自身の中に人類を消去しなければ地球を救えないという//」
「いや、そうじゃない。君が本心で、そう思ってる筈はない。
 藤宮、君だって、あの予測に疑問を持っていた。だから何人もの人の命を助けたんだ。
 君はあの時、『守るものは何もない』と言った。
 それは、クリシスの予測が奴等に操られていたことを知って、“闘う誇り”をズタズタにされたからだ。」
「闘う誇り・・・」
「それを取り戻すんだ!藤宮!」
その時、リザードの瀬沼が一人の部下と共に藤宮を保護しにやってきた。
止めようとする我夢に、なぜ、そこまで彼にこだわるのか問いただす瀬沼。
「藤宮は、ずっと地球のことを考えてきたんです。矛盾だらけの問題を、真剣に考えているんです。
 地底貫通弾を阻止しようとしたのだって、地球のことを考えぬいた末でやったことなんです。」
そう必死に説得する我夢に、瀬沼も、もう少し様子を見ようと理解を示した。

その時だ。ガイアによって粉砕された筈のΣズイグルが破片から再生し復活した。
藤宮に逃げるよう言い、我夢はΣズイグルに走り向かって行く。
そして、再び闘おうとエスプレンダーをかざした時、両手の甲のアザが金属のように変化し、
エスプレンダーも光を閉じ込められ無機質な灰色の金属片になってしまった!
さらに、両腕を電気的な光が覆い、我夢の両腕は十字架に張りつけられでもするかのように
広げられてしまう。
その瞬間、我夢の全身を十字架の棺桶のごとき金属体が覆ってしまった。Σズイグルの胸が開くと、
そこには、同じ大きさの十字型の穴が空いている。そこから光線が照射され、我夢はΣズイグルの胸に
十字架ごと組込まれてしまった!
ライトニングが急行したが、胸に閉じ込められてしまった我夢に気づき、攻撃さえ出来ない。
このままただ見守るしかないのか!?エリアルベースでも、モニターに映し出された我夢の姿に、
皆、息を飲んだ。石室コマンダーは、それがどういうことかを理解した。
「対ガイア用の兵器ということか・・・!」
瀬沼らに支えられ逃げていた藤宮は、直感的に我夢の危機を察知し、瀬沼らを振りほどき引き返していった。
しかし、Σズイグルを前に何も出来ない藤宮は、逆に、Σズイグルから放たれた光弾に吹き飛ばされてしまう。
砂浜に横たわったまま意識を失う藤宮・・・。
そして、Σズイグルは、超低空に現れたワームホールに向かって飛び立った。
ライトニング、エリアルベースが見守る中、Σズイグルは垂直に、ワームホールへと飛んで行く!
「助ける方法は無いのか・・・!」歯噛みする梶尾。
「我夢を連れ去る気か!・・・我夢、どうすればいい!・・・」打つ手なく、焦りをあらわにする石室。
「我夢・・・」意識を失いながらも、藤宮がつぶやいた。
ワームホールへと連れ去られようとする上空の我夢が叫ぶ。「藤宮ぁーーー!!!」

藤宮の脳裏に、我夢が、玲子が、稲森京子が・・・、そして、彼が救った少女、ガイアとアグルが握手
する絵に必死にすがりつく車椅子の少年の姿が、次々に現れた。
    ------- 彼らを救ったのは、君だ・・・アグルだ・・・
        君が居なければ、彼らは・・・
        “闘う誇り”を取り戻すんだ・・・藤宮・・・ -------
藤宮の心の中に、ひと滴の水滴が落された。その波紋が、心の水面を確かに徐々に広がってゆく・・・
静かに藤宮の目は開かれた。そして、揺るぎない口調で言った。
「俺には、守るものが・・・ある!
 ・・・地球よ! もう一度、もう一度、俺に力をくれーーー!!!」
その全身全霊をこめた叫びに呼応するかのように、岩に砕かれ飛沫をあげる波が、空をはばたく鳥が、
全てが動きを止めた。
   時が止まった。藤宮、彼だけが、“そこ”に居た。
   その藤宮に向かって、巨大な波が彼を包み込むように押し寄せてくる。
   地球の力を確かに感じ取った藤宮は、全身に力をみなぎらせ叫ぶ!
   「アグルーーー!!! 俺は、もう一度、闘いたい!!!」
   押し寄せる巨大な波の中から、美しく輝く青い光が広がり、
   そして徐々に輝きを増す光は、巨大な波と共に彼を包み込んでいった・・・
   ---------------------
   静かな海が広がっていた・・・
   青と紫色の美しい空をはさんで、上空にも海が広がっていた・・・
   突如、海が弾けるようにして、真っ二つに割れた!
   そして、その中から姿を現したのは・・・
   身をかがめた姿で、両腕をクロスさせ、そして、力強く雄々しく立ち上がった、その姿は、
   まぎれもない、青い巨人、アグルだった!
   青と銀色に包まれた新たなるその勇姿は、迷いのない真の青い巨人としての威厳を感じさせる。
   アグルは力強く飛び立った。
   ---------------------
ワームホールへ上昇してゆくΣズイグルをどうすることもできず、ただ見守るだけの堤、ライトニング、
そして、エリアルベース。そこへ突如、海の中から一条の青い光が垂直に飛び出し、Σズイグルへ向か
って猛スピードで飛んで行く。
「あれは・・・!」ハッと気づいたようにつぶやく梶尾。
「アグル!」石室も、思わず歓喜の言葉を漏らす。
両手を広げ一直線に飛来したアグルは、Σズイグルを掴みとめると、そのまま地上へと自らの体を
クッションにして落下させた。さらに転がりながら回転によってショックを和らげる。対峙するアグルと、
Σズイグル。アグルは拳をΣズイグルの胸に叩き込もうとするが、相変わらず闘い方が荒っぽいものの、
胸に閉じ込められた我夢の存在に躊躇し思いとどまる。その隙に、再びワームホールへと飛び立とうと
するΣズイグルにアグルは蹴りを食らわせ阻止し、さらに青光の剣を手に、フェンシングのような素早い
動きで胸から十字架のみを切り取り我夢を救い出した。我夢は駆けつけた瀬沼らに救出された。
もうアグルに遠慮はいらない。しかし、Σズイグルも必死に光弾の連射を浴びせる。無数の爆発に包まれる
アグル。しかし、その中から現れたのは、身じろぎもせず、むしろファイティングポーズさえ崩さない
アグルの姿だった。手で「来いよ」とでも言うように挑発さえする。Σズイグルが、さらに攻撃を加え
ようとした時、アグルも必殺技の構えに移った!両手を広げ、さらに突き上げた右手に、まばゆいほど
の青い光の渦が巻く。その渦巻く青い光弾を、力強くΣズイグルめがけて放った!それは、Σズイグル
の放った光弾もろとも、Σズイグルの体を一直線に貫いた。
そのまま背を向け、ゆっくりと立ち去るアグル。Σズイグルは、体にポッカリと大きな風穴を開けられ、
身動きもせず突っ立ったまま・・・、が、数秒の間をおいて、木っ端微塵に砕け散った。ワームホール
も消え去り、暗雲垂れ込めた空に青空が戻った。
きらめく海の光を受け、雄々しく立つ新たなるアグル! その勇姿は光へと戻っていった。

「我夢、早く戻ってこい。」
エリアルベースから呼びかける石室の表情は明るかった。
EXで飛び立つ我夢の表情も、また明るい。そして、両手のアザも消えていた。
藤宮は迷いのない真っ直ぐな目でEXの我夢を見つめる。その藤宮を見て我夢が言った。
「やっぱり、君は凄い奴だ。」
藤宮はEXの我夢に向かって、アグレイターをつけた腕をかざした。
我夢も藤宮にエスプレンダーを向け応える。
そこには、力強く確かな「光」が輝いていた。


感想

作成

GEM!


アグルの光にがスプレンダー取り込まれてしまい、アグルはもう戻ってこないのではないかという
不安もありましたが、その復活が雑誌に掲載され、どのような復活を遂げるのか、非常に楽しみに
しておりました。

我夢が破滅招来体が送り出したであろうロボット怪獣に捕らえられワームホームへと連れ去られようとします。
そのとき、我夢のために藤宮がもう一度ガイアの力がほしいと、地球へと願うと、海は大津波となって藤宮を
包み込みました。
そして、海は真っ二つに割れその中からアグルが「V2バージョン」とバージョンアップをして姿を現します。
このシーンは、本当にすばらしいと思いました。アグルの復活にふさわしいシーンでした!

今回は、アグルだけのバトルシーンでしたが、あのクールな戦いぶりには、何かぞくぞくさせるものがあります
アグルはこうあるべきだ!という感じでしたね(^^)。

ガイアとアグルと破滅招来体の間には何か関係があるのでしょうか?
そしてぞくぞくと地球に送り込まれる宇宙怪獣、マシン怪獣。はたして破滅招来体の真の目的はいったい何なのでしょうか?
アグルも復活し、これからの展開にますます目が離せません!


次回予告

我夢VS我夢

破滅招来体の居所、ついに判明か!?そんなとき我夢は、もう一人の自分と遭遇!
ドイツを舞台に、ガイアの騎士道が燃える!!


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