ガイア最新話感想

第3話

その名はガイア

放映日

1998年9月18日

登場怪獣

金属生命体 アパテー


脚本

小中 千昭

監督

高野 敏幸

特技監督

神澤 信一


ストーリー

我夢とXIGの堤チーフとの接触を目撃したKBCのクルー達は、ビデオの編集室にいた。
カメラマンの井上は、アルケミースターズと呼ばれる若き頭脳集団の記者会見のVTRに、
我夢が写っていることを発見した。

我夢は、夜中にXIGの司令室へ一人でやってきた。
ガイアのVTRを再生し、こうつぶやいた。
「戦い方を、僕は無意識のうちに知っていた・・・。」
スクリーンには、ガイアの光線を放つシーンが映し出されていた。
「光子の力・・・光の刃・・・フォトンエッジ」
我夢は、ガイアのアクションを真似てみた。
「そこで何やってるの!」
突然、敦子が司令室に入ってきた。
そしてスクリーンに映し出されているガイアを見てこう言った。
「宇宙人なのかな?」
その言葉に、我夢は違うと断言した。敦子は聞き返したが、
我夢は、そう思っただけだと言葉を濁した。
我夢は窓のシャッターを開け、外を見ながらこう続けた。
「根元破滅の危機となった今、彼は現れた。
地球自身が使わしたんじゃないかなって、そう思うんだ。」
それを聞いた敦子は、
「まるで地球が生き物みたいな言い方だね。」と言った。
我夢は、地球はガイアという生き物だという話があることを説明しながら、
巨人の名前を「ガイア」にしたらどうかと、敦子に同意を求める。
しかし、敦子は我夢に向かって冷たくこう言うのであった。
「子供の考えそうなことだよ。」
そして、敦子は去っていった。我夢は歳が一つしか違わないのに子供呼ばわりする敦子に腹を立てたが、
ふと光電子ユニットの光を見ながらこう思った。「・・・ガイアの光なのかな?」

我夢はファイターの整備工場にやってきた。そこでは梶尾リーダーが、
整備士にファイターSSの調整を依頼していた。
梶尾は我夢が正式な化学分析担当となったことを聞いて、子供の遊び場ではないと言った。
我夢は、整備士に工具類を貸してもらうようにお願いした後、梶尾に向かってこう言った。
「僕、マジです。」
梶尾は、何も言わず立ち去っていた。

KBCのクルーは、渋谷の街へ取材に来ていた。
ディレクターの田端は、中継車の中で我夢の写真を見ながら、こうつぶやいていた。
「高山我夢20歳・・・17歳にして量子物理学の博士号を獲得。アルケミースターズの設立を、
 現在議長のダニエル・マックフィーラントと進めた・・・。」
レポーターの吉井と井上は取材を行っていた。しかし、田端は仕事に身が入っていなかった。
「高山我夢はXIGに入った・・・あの空中基地とやらの開発に絡んでたわけか・・・。」
カメラマンの井上は呆れていた・・・。

我夢は、借りてきた工具類を使って、自室である物を作成していた。
それは、光電子ユニットに閉じこめていた光エネルギーを入れるための器であった。
そしてそれは、我夢がガイアに変身するためのユニットでもあった。
「光を解放するんだから、『エスプレンダー』がいいかな?
 これでいつも、光と一緒だ!」
我夢はそう言うと、エスプレンダーを右手に持ち、その手を大きく振り上げた。
その時、エリアルベース内に緊急警報が鳴り響いた!
GUARDヨーロッパの警戒網に謎の飛行物体が侵入したのだった。
我夢は司令室へと急ぎ、GUARDヨーロッパから送られてきた映像データから未確認物体の
解析を行った。その物体は、金属生命体の集合体に思われた。
XIGはピースキャリーにファイターを格納し出撃することになった。
我夢も堤チーフに連れていって欲しいと頼んだ。自分にもできることがあるはずだと。
堤は石室コマンダーに返答を求めた。石室は、我夢に向かって敬礼をした。
そして、我夢も一緒に出撃することになった。

ピースキャリーの発艦後、千葉参謀は石室コマンダーにこう言った。
「コマンダー、あの我夢という子をどうするつもりだね?
 化学分析なら、ジオベースのラボでだって・・・。」
言いかける千葉の言葉を遮り、石室は言った。
「この地球を何が襲おうとしているのか、それさえも見極められず、我々は戦いを始めています。」
「それは、そうなんだが・・・。」
千葉は、戸惑ったように言った。石室はさらに続けた。
「『根元的な破滅』光量子コンピューターが予想し得たのはそこまでです。
アルケミースターズの一人がこのエリアルベースにいます。そのことは決して無駄ではありません。」
現場へ向かうピースキャリーを窓の外に見ながら言う石室の横顔を見ながら、千葉は複雑な思いでいた・・・。

「・・・巨大生物の出現、そしてウルトラマンはどこから来たのでしょう?」
KBCニュースでそう伝えた吉井は、テレビ局の階段を玄関まで降りてきた。
その時、背後から男の声が聞こえてきた。
「ウルトラマンか・・・いい名前だ。」
「誰?」
吉井はそう言って、声のする方へ顔を動かした。
「振り向くな!テレビの人に言っておきたかったんだ。ウルトラマンの姿、
世界に余すことなく伝えて欲しいって。」
男はそう言って、立ち去った。
吉井は玄関まで追いかけていったが、すでに男の姿はなかった・・・。

ピースキャリーは現場へと到着した。飛行物体は、なぜか日本の東京へ向かおうとしていた。
チームライトニングの搭乗するファイター3機が、ピースキャリーより射出された。
まるで人間のような形をした飛行物体を確認した。その物体からは、微弱な電波が発信されていた。

ファイターは飛行物体を攻撃し、撃墜したが、その『金属生命体 アパテー』は、まるで
鎧の騎士のように変化し、ファイターSGを次々と撃墜していった。
アパテーには何故かカラータイマーのような物が胸についていた・・・。

我夢は、微弱な電波の解析を行った。その内容はKBCで放送されたウルトラマンガイアの姿であった。
アパテーは、宇宙のどこかでこのテレビ電波をキャッチし、ウルトラマンの姿を真似て変化をしたのであった。
そして、ガイアと戦うために日本の東京へと向かっていったのであった。
それが分かった我夢は、気づかれぬようコックピットから抜け出し、ハッチから外へと飛び出した。
「この星は、滅びたりしない!」
そう叫ぶと、エスプレンダーを振りかざし、我夢はウルトラマンガイアへと変身した!

アパテーとガイアとのバトルが始まった。しかし、ガイアは苦戦を強いられてしまう。
アパテーは何本もの鉄の棒へと変化しガイアを囲んだ。
ガイアは、その棒を払いのけようとつかんだが、電気ショックをあびてしまう。
ファイターSS援護により救われたが、ガイアのカラータイマーは点滅し始めてしまった。
アパテーは再び、人型に戻りガイアへの攻撃を開始しようとした。
ガイアはアパテーに向かって光線を放った。
アパテーは倒れ込んだ・・・しかし、再び立ち上がってしまった!!
ガイアはすでにエネルギーを使い果たし、うずくまってしまった。
アパテーが金属の槍を持ち、ガイアへと近づいてきた。
そしてそれをガイアへと振りかざした時、ガイアの後方から、突然強力な光線が放たれ、
アパテーは粉々に破壊された!
ガイアの後ろには、青いもう一人のウルトラマンの姿があった・・・。



感想

第3話もやはりお膳立てをするストーリであったといえます。
特に、今回はウルトラマンへのお膳立てがメインでした。
ついにウルトラマンに「ウルトラマンガイア」という名前が付き、変身アイテム「エスプレンダー」で
変身し、ついには「アグル」まで登場したという、なんとも濃縮されたストーリーでした。

しかし、ネオウルトラマンでは初めて、主人公がウルトラマンに名前を付けました。
そして、ウルトラマンシリーズ通しても初めてと思われることが、変身アイテムを作ってしまう
ということでしょう。
確かにアルケミースターズの一員であり、天才科学者である我夢だからこそできることだと思いますが、
あの変身アイテムが光に対してどう作用するのか、どうせならその当たりの科学的説明も欲しかったように思います。
いや、自作すること自体に無理があると思うのですが、どうせ自作したのであれば、それの理論固めも
欲しい気がします。

今回も、XIGオペレータの敦子は、我夢を子供呼ばわりしていました。我夢は20歳、敦子は21歳で、
ちっとも子供ではないのですが(^_^;)、我夢が童顔だから子供呼ばわりするのでしょうか??
私から見れば、どちらも子供ですが(^_^;)。

今回の怪獣「金属生命体 アパテー」は、ウルトラマンの姿をまねていました。
なんと、カラータイマーまで胸につけていましたね。
あの怪獣は、なぜガイアと同じ姿をして、ガイアと戦わねばならなかったのでしょうか?
どこから来た物なのでしょうか?
アニメで大ブームを起こした「新世紀 エヴァンゲリオン」に出てくる使徒のような存在なのでしょうか?
果たして謎は解けてくるのでしょうか?
今までのネオウルトラマンシリーズは、謎を残したまま、我々に問いかけをしたまま終わってしまいました。
ガイアはどうなのでしょうか?

そして、アグルの登場です。
KBCテレビ局に現れた謎の男。彼がアグルに変身する「間宮博也」であることは間違えないでしょうが、
彼はまるで、ティガに出てきたもう一人のウルトラマン「マサキケイゴ」にしゃべり方が似ていたように思います。
マサキケイゴは、ウルトラマンになったが、邪悪な心に支配されたままウルトラマンになってしまったため、
「イーヴィルティガ」となって、自らが望まぬ方向へと進んでしまった。
今回、博也が登場したときのセリフを聞いてみると、

ウルトラマンか・・・いい名前だ。
振り向くな!テレビの人に言っておきたかったんだ。ウルトラマンの姿、
 世界に余すことなく伝えて欲しいって。


というように、どこか自信過剰なところがみられます。
このあたり、マサキケイゴと類似したところがあるように思います。
しかし、アパテーにやられそうになるガイアを助けたところを見ると、
悪の心でウルトラマンになったわけではない・・・とも言い切れませんね(^_^;)。

ピースキャリーのコックピットから、我夢が抜け出したのはどうして分からないんでしょう?
考えてはいけないのかも知れませんが、なんか納得いかないところがあります。


アグルも出てきたし、今後の展開が楽しみです!

次回予告

天空の我夢

ビルが街が、何もかもが、全部砂に変わる!
正義を胸に、友情を背に受けて我夢も空へ。君もTake Off!


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