ガイア最新話感想

第29話

遠い町・ウクバール

放映日

1999年3月27日

登場怪獣

守護獣 ルクー


脚本

太田 愛

監督

原田 昌樹

特技監督

原田 昌樹


ストーリー

作成

GEM!


永田は弁当を食べながら、公園で鳩に餌をあげていた。
すると、空に怪獣の姿が現れた。
永田はそれを見て、訴えかけた。
「ルクー、俺、帰り道が分からなくなってしまったんだ・・・。」
すると、怪獣は消え、雲の中から都市が出現した。
その都市は、風車がいくつかあり、そこが丸く水で囲まれた
まるでメルヘンの国のようであった・・・。
それを見て永田はつぶやいた。
「ウクバール・・・。」

『あの、永田という男は、生まれた時からずっと、長い長い夢を見ていたのだろうか?
 それとも、永田の言っていたことはすべて本当のことだったのだろうか?』

チームハーキュリーズのリーダー「吉田」は、休暇で地上へ戻り、
幼なじみの庄司と飲み歩いていた。
屋台のおでん屋で、庄司は、その日一日、宇宙人とトラックに
乗っていたと吉田にうち明ける。

庄司は、「らくだ便」という宅急便のアルバイトをするために、
喜多浦運送へと行った。
そこで、永田という宅配歴25年のベテランと回ることになった。
永田は、車の中でも、荷物を運んでいるときでもウクバールという
不思議な街の話を庄司にしていた。
「ウクバールという町ではね、いつも風が吹いてるんだ・・・。」
「ウクバールの町にはね、階段というものがないんだよ・・・。」
そして、帰りの車で庄司は、永田のウクバール話に飽きてしまい。
永田にこういってしまった。
「あるある、ウクバールはあるよ。おっちゃんの頭の中に。」
永田は、ショックを受けて運転していることも忘れてしまい、
あやうくカーブにあるお地蔵さんに激突するところであった・・・。

・・・庄司は、吉田がXIGのメンバーなので、永田が地球人であることを
証明して欲しいとお願いするのであった。

永田は、庄司に言われた言葉がショックだった。
「ひょっとして、ウクバールは、どこにもないんじゃないか?」
そんなことを思っていると、電話近くの小さな風車がまわり始め、
突然電話が鳴った。
永田は受話器を耳に当て、驚いた。
受話器から聞こえてくる音は、ウクバールの風と風車の音だった・・・。

エリアルベースに戻った吉田は、我夢とチームハーキュリーズのメンバーと
ジムに行き、体を鍛えていた。
吉田は、みんなに永田の話し、地球人である証明の仕方を聞いていた。
我夢は、永田の実家を探すことによって、永田が地球で生まれ育ったことを
証明することを考えた。永田の実家は東京に空き家として存在していた。

吉田は永田の実家へと向かった。
実家は蜘蛛の巣だらけだった。
家の中を見ていると、我夢から連絡が入った。
永田の住んでいるアパートを中心に、時空がゆがんでいるというのだった。

吉田は、永田の住んでいるアパートへと急行した。
そこで、焼き芋をたくさん持った庄司に出会った。
永田は初めて無断欠勤をして、庄司は心配して様子を見に来たのだという。
二人で鍵のかかっていない永田の部屋へとはいると、永田は倒れていた。
「おっちゃん!目あけろよ!!」
庄司は永田の体を揺すった。
吉田は、庄司どかし永田の胸に耳をあてた。
「大丈夫だ、寝ってるよ。」
庄司に毛布をとるように言ったとき、永田は目を覚ました。
「夢を見た。ルクーが迎えに来てくれんだよ。
 俺、ルクバールに帰るんだよ。」
永田はそういいながら、電話の受話器を差し出した。
しかし、その電話の電話線は切れてつながっていなかった。
それをみて庄司は言った。
「何いってんだよ、ルクーとかウクバールなんてないんだよ!」
吉田は受話器に耳をあてた。そして驚き、庄司の耳へと受話器をあてた。
「ウソだろ?・・・」
庄司はそうつぶやいた。
そこからは、風の音と風車の回る音が聞こえてきた。
その時、窓ガラスがカタカタと音を立てて揺れた。
揺れがだんだんひどくなって、そして永田は叫んだ。
「ルクー!」
突然、窓ガラスが粉々に飛び散った!
ガラスの割れた窓から見える外の景色には、守護獣「ルクー」の姿があった。
「ポイント22601に怪獣出現!」
永田は外へ飛び出したいた。吉田と庄司はその後を追った。

ルクーは前進し始めた。
「ジャン!ジャン!」
その足音は、まるで楽隊のようだった。
ファイターチームとEXがルクーへ攻撃をしかけた。
ガイアも登場し、怪獣の進むのを阻止しようとした。
吉田と庄司は逃げまどう住民の中を永田の姿を探した。
永田は、電波塔に上っていた。
ガイアはビームを放とうとした。
永田は「ルクー!」と叫んだ。
ルクーは、永田の方を向いた。
町中にサイレンの音が響いた。
ガイアはその手を止めた。
それは、ウクバールの町の5時を知らせるサイレンであった。

空に「ウクバール」が現れた。
そのサイレントがやむと共に、ルクーは消えていってしまった。
そして、永田の姿も塔の上から消えてしまった。
「おっちゃん・・・どこいっちまったんだよぉ。」
塔を見上げていた庄司がつぶやいた・・・。

・・・我夢と、永田の実家に来ていた吉田は、
しばらく部屋の中を眺めていたが、我夢に呼ばれそこを去ろうとした。
その時、倒れたふすまや埃で隠されていた壁に何か貼ってあるのが見えた。
邪魔なものをどかすと、そこには「1966年」のカレンダーが貼ってあった。
そのカレンダーには、あの「ルクー」と「ウクバール」が描いてあった・・・。

『永田は、幼い頃に見たカレンダの中の町を、自分の故郷だと思いこんでいた、
 ただの風変わりの男だったのかもしれない。でも、もしかしたら、ウクバールは
 どこかに本当にあって、永田はようやく、そこに戻ったのかもしれない。』

吉田「あの男には、ウクバールが必要だったのかなぁ。」
我夢「え?・・・ウクバール?」
吉田「遠い町さ・・・。」


感想

作成

GEM!


今回は、平成ウルトラマンのおとぎ話を書き続けている「太田 愛」さんの脚本です。
ガイアでは、今回を含め3回目の登場となります。

おでん屋さんから覗いていた、黒い皮のコートの女性、「太田 愛」さんだそうです(^_^)。
あのおでん屋の後ろにある、オブジェはいったい?

配達途中に、業務用エレベータに乗りますが、そこにいたサングラスをかけた二人の男は
なんなのでしょう?

親に叱られて、「おまえは橋の下で拾われたんだよ!」なんて言われたのを
真に受けて、自分は本当は宇宙人じゃないか?超能力を持っているんじゃないか?
などど考えたことがある人は結構いると思います。
チームハーキュリーズのメンバーも言っていましたが、誰かに「あなたは地球人です。」
なんて証明されたことは私もありません。
ひょっとすると、私の親は宇宙からやってきて、誰にも気づかれずに地球人と
同じように暮らしていただけなのかもしれません。
これと同じ様な話が、ウルトラマンダイナでもありました。
「少年宇宙人(第20話)」です。
もちろんこれも、今回同様、太田愛さん脚本、原田昌樹さん監督です。

今回は、ガイアは一応出てきたという感じでした。
私は、こういう話もあっていいと思っていますが、ガイアのストーリーで破滅招来体がらみの
怪獣が出てこないと変な感じがするのは私だけでしょうか?

ティガやダイナにも、大きなストーリーがありましたが、一つ一つのお話は、完結していたものが
ほとんどだったと思います。しかし、ガイアは1話ずつの積み重ねを大切にしている感じがするので、
突然、「骨休み」みたいに入ってくると、なんか調子抜けしてしまいます。

そうは言っても、子供の頃の妄想とも言える思い出を、こうして一つのストーリーとして
作り上げた太田愛さん。
これからも、子供たちに優しい心を持ってもらうためにも、そして我々が子供の心を持つ大人たちで
あり続けるためにも、すばらしい話を書き続けてください。
そして、原田監督のすばらしい映像で、我々をもっと素敵な世界へと運んでいって欲しいと思います。

ウクバールは、本当にあったのかどうかは分かりません。
でも、永田のおやじさんは、迎えに来たルクーと一緒にウクバールへと帰っていったことは
間違えないようです。

次回は、チームシーガルの登場か!

次回予告

悪魔のマユ

月の彼方から、宇宙怪獣がたまごを産みにやってきた。
マユの中には敦子の姉が! 怪獣撃滅か?人命救助か?


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