ガイア最新話感想

第27話

新たなる戦い
〜バージョンアップ・ファイト!〜

放映日

1999年3月13日

登場怪獣

金属生命体 ミーモス


脚本

古怒田 健志

監督

児玉 高志

特技監督

佐川 和夫


ストーリー

作成

GEM!


巨大な敵「ゾーリム」を倒した後、地上にはつかの間の平和が訪れていた・・・。

根源的破滅招来体によって汚染されてしまったクリシスは、すべての接続を解除し、
凍結された。アルケミースターズのダニエル議長は、XIG司令室の千葉参謀、
石室コマンダーに今回の不祥事についてわびた。
しかし、二人とも彼をせめることはしなかった。
千葉は、ダニエルにこういった。
「所詮コンピュータに人類の運命をゆだねることはできなかったんだよ。」
しかし、破滅招来体は現実に存在しているとダニエルは言ったが、
石室は噛みしめるようにこう言った。
「それは、有益な予測だった、滅びることが人類の・・・運命ではない。」
そして千葉もこう言った。
「人間の運命はね、人間が自分で切り開くんだ」

我夢は、ジムで体を鍛えていた。
そこへチームクロウの「慧」と「樹莉」がやってきた。
我夢の鍛えているのを見て、アナライザーである我夢がなぜ筋トレを
行っているのか聞いてきた。
我夢は、友達に、戦うのなら体を鍛えておけと言われたと二人に話した。
樹莉は、友達とはチームハーキュリーズのことかと我夢に訪ねたが、
違うとだけ言って、我夢は立ち去ってしまった。
樹莉は、好きな子でもできたかな?と半ば冷やかす感じで言った。
そこへ、ジムにいた稲城リーダーが現れ、彼女たちにこう言った。
「そんな感じじゃなかったよ。
 体を動かすことで、もやもやしているなにかを吹っ切りたい時、
 あなたたちにだってあるでしょ?」
しかし、我夢に何があったかは彼女たちには分からなかった・・・。
「でも彼、自分の中のなにかと必死で戦っているみたいだった。」
稲城はそう言って、我夢の去った方を見つめていた・・・。

我夢は自室へと戻り、エスプレンダーを見つめウルトラマンアグルのことを考えていた。
アグルなしでは、ガイアがピンチを切り抜けられなかったときが何度もあった・・・。
「藤宮、これからも、ずっと一人なのか・・・。」
我夢は、エスプレンダーを見つめつぶやいた。
その時、パソコンが電子メールの到着を知らせた。
メールの宛先人は「高山 重美」、我夢の母親だった。

『少しはおまえのことが判るかなと思って、
 コンピュータを買ってみましたがまだまだです。
 父さんも母さんも元気です。
 体に気をつけて、お仕事頑張ってください。 母より。』

我夢は、母からのそんなメールをとても喜んだ。

我夢は自分から申し出て、休暇をとった。
我夢はエリアルベースを離れ、XIGに入るまで通っていた
大学へ足を運んだ。
しかし、大学は春休みで誰もいなかった。
その後、自分がガイアと出会った場所へと出向いたが、
結局エリアルベースへと戻ってしまった。

廊下を歩いていると、チームライトニングのメンバーと出会った。
休暇じゃなかったのかという梶尾の言葉に、我夢は当てが外れたと答えた。
梶尾は、我夢の頭を少し休ませた方がいいといいながら去っていった。
後を追うように、大河原がやってきて、我夢の肩をたたき、そして親指を立てて見せた。
我夢は、その姿に大きくうなずいた。

XIG司令室へ行くと、アルケミースターズのダニエル議長から緊急連絡が入った。
クリシスがシステムダウン直前に放った命令が独立したプログラムとして、
ネット上に生き残っていたのだという。そのプログラムによって、GUARDヨーロッパが
システム停止に追い込まれたというのだった。
石室はそのプログラムを「クリシスゴースト」と呼んだ。
突然、ダニエル議長との通信が切られ、XIG司令室のシャッターがすべておろされ始めた。
非常防衛システムが作動したのだった。コンピュータにクリシスゴーストが感染していた!
コンピュータをサブシステムに切り替えたが、完全に遮断されていたはずのサブシステムも
クリシスゴーストに汚染されていた。
クリシスゴーストは恐ろしい速度で、コンピュータシステムを汚染していった。
すべてのシステムを奪われた場合、リパルサーリフトが停止し、エリアルベースは落下してしまう。
キーボードでウィルスを駆除しようと頑張っていた我夢だが、キー入力速度が、クリシスゴーストの
汚染速度に間に合わず、コンピュータシステムはみるみる汚染されていった・・・。
「僕の力が、なんの役にも立たないなんて!」我夢は机をたたき、くやしがった。
そんな我夢に敦子は檄を飛ばした、「我夢、あきらめちゃだめ!」

・・・館内の酸素濃度も低下し、内部通信もできなくなっていた。
千葉参謀は、乗員の退艦準備を提案する。そして、最悪の場合、エリアルベースの自爆をも辞さないと
石室に言った。
その時、ジョジーが部屋から、遊びで作ったというジョイスティックを持ってきた。
ジョジーはパソコンにそれを取り付け、さっそく敦子がジョイスティックを使って、クリシスゴーストの
迎撃を開始した!
敦子はものすごい速さで、コンピュータシステムの汚染箇所を元通りにしていった。
ジョジーはそれをみて「さすが元ゲーセン荒し!」と言った。
そしてついに、最後の一カ所を元通りにし、コンピュータシステムを正常に戻すことに成功したのだった。

その時、ジオベースの樋口から連絡が入った。
「こちらジオベース、コンピュータウィルスの侵入を受け、F4ラボが全機能を奪われました!」
実は、敦子が最後の汚染箇所を修正しようとしたとき、クリシスゴーストはうまく抜け出し、ジオベース
のコンピュータへと入り込んだのであった。
F4ラボには、金属生命体の「アパテー」や「アリュギロス」の破片サンプルを収納していた。
クリシスゴーストの本当のねらいは、自分の体を得るために金属生命体を獲得することだった。
石室は、ジオベースの全職員の退去を命じた。
堤チーフは、チームライトニング、チームクロウの出撃を命じた。

クリシスゴーストは、F4ラボの破片サンプルを集結し、「ウルトラマンガイア」へと変身したのだった!!
「そんな!」我夢は思わず叫んだ。
「ガイアが・・・。」石室も我夢の方をみながら、困惑した様子だった。
我夢は、F4ラボにあったガイアの情報を元に、クリシスゴーストが金属生命体を使ってガイアの姿、能力を
コピーしたのだと説明した。
石室は、ファイターチームに対し、ウルトラマンガイアへの攻撃命令を出した。
「リーダー、本当にガイアを?」チームクロウの慧はうろたえた。
しかし稲城リーダーは一言こう言った。「たとえ、相手が何者であろうと、それが任務なら・・・。」
ウルトラマンガイアの攻撃に躊躇しているいるチームのために石室は、
我夢に前線へ行ってファイターチームをサポートするよう指示した。

ガイアへの一斉攻撃が開始された。
しかし、ガイアは反撃してこなかった。ニセガイアは、本物が現れるのを待っているのだった。
「大河原なぜ攻撃しないんだ?」堤は大河原に聞いた。
「ニセモノだと、頭では判っているのですが、俺には撃てません!!」
 俺には撃てません・・・俺はウルトラマンガイアに何度も命を助けられました。
 彼は・・・ガイアは・・・ずっと一緒に戦ってきた、仲間なんです!!」
ファイターチームもみんなも、大河原と同じ気持ちだった。
我夢はその声を、前線へと向かうファイターEXの中で聞いていた。
そして、エスプレンダーを見つめ、こうつぶやいた。
「分かったよ藤宮。僕は、一人なんかじゃない!」

大河原機が、ニセガイアに捕まった!
「ガイアーーー!!」
そして、我夢はガイアへと変身した!!
地上へと落下したガイアは、ビームを放ち大河原機を救出した。
そして、ガイア同士のバトルが開始した!

同じガイア同士、本物が勝てるのかと不安がる千葉に、石室は力強い口調でこう言った。
「命あるものは、常に前に進みます。昨日までのデータなど・・・。」
千葉は驚いたように、こう言った。
「成長しているというのか、ウルトラマンガイアが。」

石室の予想通り、両者共にフォトンエッジを放ったが、本物である「ガイアV2」の力が勝っていた。
フォトンエッジをもろに受けたニセガイアは、ガイアの仮面が剥げ落ちてしまった。
「正体を現せ!」大河原は叫び、そしてファイターチームが総攻撃を始めた。
ガイアの仮面はみるみるはがれ落ち、ついに怪獣「ミーモス」の姿が現れた!

ガイアは、格闘の末、金属片により、地上へと張り付けにされてしまう。
そしてミーモスがウルトラマンガイアへと近づいたとき、堤はファイターチームへ指示した。
「全機ウルトラマンガイアを援護しろ!心おきなくやれ!!」
その言葉に、各ファイター機はミーモスを一斉攻撃した!
ガイアも、金属片を取り去り、立ち上がった。
「ガイアが変わる!」
敦子が叫び、ガイアは「スプリームバージョン」へとバージョンアップした!
バージョンアップしたガイアの力は圧倒的だった。
格闘の末、ビームを放ちミーモスを消滅させた。

空へ飛び立ったガイアは、大河原と挨拶を交わし、そして飛び去った・・・。

「クリシスに宿った破滅招来体は、完全に消えたな。」
千葉はほっとしたように言った。
「はい・・・しかしまた、新たなる戦いが始まります。」
石室は真剣に答えた。その言葉に、千葉は明るい大きな声で答えた。
「負けませんよー!我々はぁ!・・・ハハハ・・・。」
石室も笑顔で答えた。
「はい!」

「ミッション終了、全機帰還せよ!」
堤のその声に、ファイターチームは全員で答えた。
「了解!」


感想

作成

GEM!


バージョンアップファイト!
いよいよ、第3クールがスタートしました。
オープニングが、前回からさらに変わり、提供クレジットの背景が変わりました。
また、ダイナの時と同様に、エンディング曲も「Beat on Dream on」に変わりました。
そして、このページも・・・(^_^;)。

第3クールの最初の脚本は、11話の「龍の都」17話の「天の影 地の光」を担当された 、
古怒田 健志」さんです。
今回は、藤宮がいなくなって孤独を感じていた我夢が、いろんな人たちに見守られながら
戦ってきたことを認識するストーリーでした。
バージョンアップガイアにふさわしいストーリーだったと思います。

根源的破滅招来体により冒されていた、光量子コンピュータ「クリシス」。
そこには、おそろしいウィルスが仕込まれていました。
GUARDヨーロッパのシステムをダウンさせ、エリアルベースのシステムもダウンさせようと
しました。
そこを、「ゲーセン荒し」の異名を持つ敦子が、ジョイスティックを使ってウィルスを迎撃し、
システムダウンを回避しました。
しかし、敦子がゲーム好きだったなんて、どこかのストーリーでやってましたっけ?(^_^;)

我夢は、孤独を感じていましたが、母からのメールにちょっと勇気づけられました。
(お母さんはiMacを使っていましたね。マックユーザの私としてはうれしいです(^_^)。)
孤独でないことを確認するように、自分の通っていた大学を訪ねますが、春休みでお休みでした。
放映時期に合わせての設定が、非常に我夢の孤独感をあおっていて、非常に印象的でした。
休暇を取ったにもかかわらずエリアルベースに戻ってきた我夢を、チームライトニングのメンバーは
暖かく迎えてくれたような気がします。特に、大河原は我夢に親指を立て、挨拶を交わすところは、
とても微笑ましい感じでした。
大河原は、我夢が好き?・・・(^_^;)。
ガイアが戦いに勝って、飛び立ったとき、大河原は同じように親指を立ててガイアと挨拶を交わしました。
・・・ひょっとして大河原も、我夢がガイアであることに気づいているのでしょうか?

クリシスゴーストが、ガイアを倒すべく、ジオベースの金属生命体のサンプルを使って、ウルトラマンガイア
へ変身しました。
ニセモノといえども、ガイアへの攻撃に疑問を持っているファイターチームのために、そして我夢をガイアへと
変身させるために、石室コマンダーは我夢を出撃させました。
そのうちコマンダーが、「我夢、ガイア出撃!」とか言うのでしょうか?(^_^;)

ガイアがミーモスを消滅させた、あの光線。前回も使用していましたが、祈るようなあのポーズは、
かっこいいと思います。

今回のストーリーは、今までのガイアのように、変に無理矢理何かの理論をつけて説明してしまおうという
部分を省き、そうではない部分に力を注ぎ、全体として訴えるものが浮かび上がってきた、そんな気がします。
それに、なにか全体的に一体感みたいなものを感じました。ストーリーの中はもちろん、スタッフの方々の
意気込みの強さを感じたように思えます。

私は、「大人のウルトラマン」がみたいと思っていました。
それが今回のガイアで実現されつつあると思っていました。
しかし、「ウルトラマン」はそういうものではなかった。
日本のスペースオペラは、アメリカの「スタートレック」のようにはならなかったのです。
いや、歩んできた道が違ったのだから、同じ道を歩むのは難しいのでしょう。

前に、「次世代のウルトラマンを、大人の我々が受け入れなければならない。」ということを
書きましたが、ウルトラマンのあるべき姿が実はあるのではないかと、思い直し始めました。

どうようになっていくか、分かりませんが、私はこのウルトラマンを見守っていきたいと思います。

新しいエンディングCDプレゼント!!



次回予告

熱波襲来

うだるような熱さ。熱波の源はアブラダ山にあった!
山肌に現れた奇怪な文字の意味とは?親から子へ正義は受け継がれる!


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