ガイア最新話感想

第26話

決着の日

放映日

1999年3月6日

登場怪獣

巨獣 ゾールム


脚本

小中 千昭

監督

村石 宏實

特技監督

村石 宏實


ストーリー

作成

くらむぼん


ガイアとアグルが戦う現場に、ファルコン、クロウ、そして石室コマンダーを乗せたピース
キャリーが到着する。“ガイアを援護しますか”という堤にコマンダーは、きっぱり言う。
「これは巨人同士の闘いだ。我々の行動は、この決着がついた時に決定する。」
その時、ダニエルから“今までよりも遥かに巨大なワームホールで、どこかの宇宙と地球とが
"直接"つながろうとしている”という通信が入った。今までとは違い、ワームホールが“すぐ
には開かないのもおかしい”ということも・・・
石室は何か腑に落ちないようにつぶやく。
「なぜ、こんな時に・・・巨人同士が闘っている、この時に・・・」
遂に、ガイアとアグルは必殺技で蹴りをつけようと構えに入った。
「ワームホールは開かない・・・もし何かを待っているのだとしたら・・・
 !。そういう事だったのか、そうだったのか!」全てを理解した石室は急ぎ命令する。
「ファイター各機、即刻退避!ピースキャリー離脱!」
赤と青の光の粒子が広がり、、、
そして、アグルはフォトンクラッシャーを、ガイアはフォトンエッジを互いに向けて放った!
まばゆいばかりの閃光が周囲をつつむ。各機ともコマンダーの判断でかろうじて難を逃れ、
玲子はリザードの男たちに守られブロックの陰に身を隠し助かった。
強烈な光のエネルギーの束が一直線にワームホールへと吸い込まれてゆく。
光の中で、藤宮と我夢の意識が語り合う。
「強くなったな、、、我夢。」
「僕が強いんじゃない。僕は地球の力を借りている。君だってそうなんだ。」
「そうさ、地球は慈悲深い母などではない。こんな破壊的な力を俺に授けてくれた。
 俺がしようとしていることは、地球が願っていることだ!それを、我夢、お前は!」
二人の意識がはじけるように、現実に引き戻された。
我夢も藤宮も、互いにひどい怪我を負って、大地に倒れていた。
藤宮は苦痛に顔を歪めながらも、地球に求め語りかけているかのように声を絞り出した。
「力を俺に・・・力を・・・」

「藤宮君!」
駆けつけようとする玲子を押さえ、“唯の人間が踏み込める場所じゃない”と諭すリザード
の男に、玲子は言った。
「人間だよ!
 人間だから、こんなことになっちゃったし、人間だから、あんなに傷ついて・・・」
巨人の消えた大地に降り、“誰か”を捜す石室コマンダーは、その“誰か”を見つけた。
右肩を抑えながら痛みに顔を歪め倒れている我夢がそこに居た。
「我夢!大丈夫か!」
コマンダーのXIGナビに、堤から“ひどい怪我をした藤宮を発見した”との連絡が入る。
「そちらには誰か?」と問われたコマンダーは、我夢にチラと目をやり、「いや」と答えた。
「コマンダーは・・・僕のことを・・・」
救急車に乗せられジオベースのメディカルセンターに連れて行かれた藤宮を玲子は見送る。
取材に来ていた倫文に励まされ、玲子は彼の胸を借り、泣いた。。。

〜エリアルベース〜
「ワームゾーン400%拡大!」緊迫した雰囲気のエリアルベース。各国が地中貫通ミサイル
にエネルギーをまわしている為に、高エネルギーミサイルが間に合わない。千葉参謀は、
やむを得ず、人工衛星防御システムによる集中攻撃の手段をとる。「コマンダーは?」

その頃、石室コマンダーは工事現場の事務所に我夢を連れ、手当てをしていた。脱臼した肩を
入れてやり三角巾を当てるコマンダーに、我夢が痛みをこらえながら語り出す。
「憎しみとか、怒りとか、そんな思いのままでウルトラマンが戦っちゃいけない。そんなこと
 わかってた筈なのに・・・どうして、ウルトラマン同士が戦うなんてことに・・・」
「それを望んだものがいた。二人の巨人が激突した時に生じた膨大なエネルギー、それを待ち
 望んでいた存在が、どっかに居た。もうすぐ、それが空に降りてくる。」
次第に空が暗雲で覆い尽くされていった。
石室は、XIGナビに入った連絡に応答せず、何気なく机の上に置いて言った。
「早く傷を治せ。傷が治ったら、、、戻ってこい。」
厳しい表情の中に、一瞬ニヤリと笑みをこぼし、ピースキャリーへと戻っていった。

〜エリアルベース〜
衛星防御システムがハングアップした報告に驚くXIGスタッフ。
“クリシスが暴走して、衛星制御回路を遮断した”との連絡がダニエルから入る。
「なぜだ!?なぜ、こんなに一時に“事”が起きる!?」千葉は動揺を隠せない。
「偶然ではないのかもしれません。」そう言うコマンダーと、千葉は顔を見合わせる。
堤チーフの「我々は、やれることをやるまでです。」の言葉に頷くコマンダー。
ファイターチームが召集されたが、どんな敵なのかわからない状況に皆とまどう。ファルコン
が先行しワームホールへ突入するという米田リーダー。煮詰まった中、梶尾がつぶやく。
「“あいつ”なら、どう考えるか・・・」
皆の頭に我夢が浮かぶ。天井を見つめる千葉参謀。「あのこなら、直感を信じるわ」と言う
敦子とジョジに、なぜか希望が湧いてきた。
コマンダーは決断を下した。
「今、降りてこようとするものが何であれ、我々は後に引くわけにはいかない!」
各ファイターチームは、ファルコン先行で、ワームゾーンに向けて出撃した。

その頃、我夢はクリシスにアクセスしようとしていたが、ノイズばかりで応答しない・・・
稲光る外を見つめる我夢は、クリシスのパルスパターンが、“それ”と呼応していることに
気づいた。外に飛び出した我夢は、三角巾をかなぐり捨てワームゾーンを睨んだ。
遂にそこから、ゆっくりと不気味な巨獣ゾーリムが頭を現した。根源的破滅招来体なのか!?
その時、藤宮が現れ決着をつけようとアグレイターをかざす。
そんな藤宮に我夢は、“あいつは僕たちのパワーを利用して現れたのだ。僕たちが戦うのを
じっと待っていたのだ”と語った。ゾーリムを見上げる藤宮。その彼にさらに我夢は語る。
「今、君が設計した光量子コンピュータが・・・暴走している。」
「クリシスが暴走!?そんな馬鹿な!」
我夢は、暴走したクリシスを映し出したXIGナビを藤宮に差し出す。
「この光のパルスは、“あいつ”とシンクロしてるんだ。」
「あり得ない!・・・どうして、、、クリシスが・・・」と激しく動揺する藤宮に我夢は、
「システムの一番深い所に“何か”が紛れてた・・・君のせいじゃない。。。」と同情する。
藤宮の脳裏に、数年前のクリシスが出した回答“人類の削除”がよぎった。
「じゃあ、俺の得た結論は!・・・」
「根源的な破滅をもたらすものの意思に、書き換えられていた・・・」
絶叫!
今まで自分が信じて、地球の為だと信じて行ってきたことの全てが、瓦礫のように崩れさった
藤宮は、ただ絶叫するしかなかった。。。
上空では、到着したファルコンがゾーリムへ攻撃を加えている。しかし、あまりの巨大さに、
通常の攻撃では全く歯が立たないでいた。

地上にゾーリムが吐く火柱が幾筋も立ちのぼる。それは我夢達のすぐ側にも迫っていた。
藤宮がつぶやく。「何の為にウルトラマンになったんだ。地球の意思じゃなかったのか!」
「わかんない。わかんないけど、行くしかないじゃないか!戦うしかないじゃないか!
 大事なものを守る為に!」そう言って変身しようとする我夢の手を掴み、藤宮は言った。
“その体ではまともに戦えまい・・・アグルの光を一緒にしろ”と。
「信じていたものに、大事なものに裏切られた者の気もちが、お前にわかるか・・・
 俺には、もう守るものなんて何も無い・・・」
そう言って静かに去っていく藤宮に、ゾーリムの吐いた火炎が一直線に!
「光をとれ!我夢!」爆発!!!
我夢は消えてしまった藤宮に叫ぶ。「大事なものなんて、幾らでもあるじゃないか!!!」
アグルの光をエスプレンダーに受け継いだ我夢は、精一杯叫んだ。「ガイアー!!!」
暗雲立ち込める夜空に一瞬、光が満ちガイアの勇姿がそこに立っていた。アグルから光を受け
継いだ印である“胸に黒いV字のライン”が加わったプロテクターが、青く輝いていた。
ゾーリムに向かって飛び立ったガイアは、クゥアンタムストリームを放つが、逆にゾーリムの
吐き出す巨大な火炎を受け、地上に落ちてしまう。倒れたガイアに次々と火炎が降り注ぐ。
「アグルの力をもらったんだ!このまま終わるか!!!」
ガイアは全身にめくらめく光をまとい輝きはじめた。その姿を見守るエリアルベース。
「ガイアが・・・ガイアが、変わる!」
光の中から姿を現したガイアは、よりたくましい姿で新しく誕生した。足と腕にアグルの力の
印である青と黒のラインが!
上空では全ファイターチームが、らせん状に続く渦に沿ってワームホールへと入り込み一斉
攻撃を仕掛けようとしていた。「3、2、1、ファイアー!離脱!!!」
悶えるゾーリム。そのおぞましく開いた口の中に、スプリームバージョンとなったガイアが
突入した。その喉元で、ガイアは光を一身にあつめ力強い光線を放った。
大爆発!
砕け散ったゾーリムの中から、ガイアの勇姿が飛び立つ。
朝焼けの空を、“新しいガイア”に寄り添うように飛ぶファイター各機。
互いに一礼し、そして、それぞれ飛び去っていった。
エリアルベースでは新たなるガイアの勝利に歓喜の声があがる。そこに連絡が入った。
「こちら我夢です。色々すみませんでした。」
「千葉参謀、高山我夢を本艦に戻します。よろしいですか。」と石室は千葉に言った。
「あぁ、、、そうだな、、、もちろんだよ。ハッハッハ・・・」千葉も満面の笑みを浮かべる。
XIGスタッフに明るい笑顔が戻った。
「我夢、お許しが出たぞ。」と、堤はピースキャリーで我夢を迎える。
手を振り応える我夢は“彼”のことを思った。。。
『生きてるよね、藤宮。。。いつか一緒に戦える日が来ると、僕は信じている。。。』

感想

作成

GEM!


2クール最後は、第23話〜26話までを4部作として、放映されました。
この4部作では、「暴走」というのが一つのテーマになっていた、そんな気がしています。

 ・稲森博士の暴走
 ・我夢の暴走
 ・吉井玲子の暴走
 ・石室コマンダーの暴走
 ・光量子コンピュータ「クリシス」の暴走

そして、これらの暴走の結果は、信じ切っていた「クリシス」の裏切りでした。
クリシスのシステムにバグが潜んでいた・・・。
根元的破滅招来体をもたらそうとするものによって、システムの一部を書き換えられてしまった。
藤宮の考え方、行動してきたことすべてが間違えであった。
私は正直、ストーリー的に安易な展開なような気がします。

石室コマンダーは、やはり我夢がガイアであることを知っていました。
石室は、我夢が傷ついて倒れているのを報告せず、手当をし、そして去っていきました。
今後の石室と我夢との関係が、これからのガイアのストーリー展開に大きな影響を及ぼしそうな気がします。

あの巨獣「ゾーリム」は、根元的破滅招来体そのものなのでしょうか?
あの怪獣が、コッヴを始めとする怪獣たちを、ワームホールから地球へ送り込んだのでしょうか?

我夢の言う、根元的破滅招来体をもたらそうとするものとは、いったいなんなのでしょうか?
私は、知的な生物が関係しているような気がします。例えば、人間とか・・・。
今後のガイアで、明らかになっていくことを期待します。

そして、ガイアはアグルの光をもらい、「スプリームバージョン」へとバージョンアップしました。
来週からは、最初の頃から言われていた「バージョンアップ・ファイト」の始まりです。
何か、釈然としないものを胸に秘めながらも、私は、第3クールへとはいるガイアを見守っていこうと
思います。

次回予告

新たなる戦い
〜バージョンアップ・ファイト!〜

スプリームバージョンの力を得たウルトラマンガイア。
それは我夢にとって、自分との戦いの始まりだった・・・。



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