ガイア最新話感想

第25話

明日なき対決

放映日

1999年2月27日

登場怪獣

(怪獣は登場しません)


脚本

右田 昌万

監督

村石 宏實

特技監督

村石 宏實


ストーリー

作成

くらむぼん


我夢は砂漠を歩いていた。突然何かにつまずく。砂を掻き分けると、それは・・・まるで
ライフゲージの形・・・恐る恐る視線を向けた我夢は絶叫した。砂に埋もれ横たわっていた
のは、まるで化石のようなガイアだった。
「わぁー!」絶叫と共に我夢は飛び起きた。そこは親友マコトの部屋だった。
ベランダで星空を見ていたマコトから、我夢は星空の異変を知らされる。

〜エリアルベース〜
千葉参謀と石室コマンダーらは、自ら怪獣を呼び覚ましておきながらそれと戦ったアグルの
不可解な行動を議論していた。そこに千葉の甥から恒星の配列が変だという連絡が入った。

その頃、自ら望んで藤宮に同行していた玲子は、車を場末の酒場に停めた。
『青いウルトラマンと関りがある男がKCBアナウンサー吉井玲子を拉致し逃走している』
というニュースが、酒場で流れている丁度その時、玲子と藤宮が店に入ってきた。
玲子はバツが悪い思いをしながらも、藤宮に温かい飲み物をと注文した。
たむろしていたチンピラ達は一瞬あっけにとられたものの、玲子にちょっかいを出してくる。
藤宮は助けようともせず、出されたホットミルクに手をのばしたが、チンピラはわざとそれ
を払い落とし挑発する。藤宮は無言のまま去ろうとしたが、さらに挑発され「どけ!」と
殴り倒した。しかしチンピラ達に、逆に袋叩きにされ、店の外に放り出されてしまう。
必死にかばう玲子に藤宮は言った。
「人間は汚い、人間は醜い・・・人間なんて、人間なんて、皆、地球から吐き出してやる!」
哀しい表情で玲子は藤宮を車に乗せた。

エリアルベースには、アルケミースターズのダニエル議長から星空の異変は外気圏の位相の
歪みが原因であるとの連絡を受ける。その情報が我夢からであることを知ったコマンダー達
は、たとえ"ここ"に居なくても自分の役目を知っている、と苦笑した。
ダニエルは、藤宮1人のせいでアルケミースターズが危険視されることを危惧していると我夢
に伝えるが、我夢はモニターのダニエルに向かって言った。
「夢を見たよ。地球の未来を垣間見たんだ・・・変えなくてはいけない未来・・・
 その為にも藤宮を放っておけない」と。

翌朝、エリアルベースに "外部からリザードの通信がハッキングを受けている"との報告が
入る。コマンダーは敦子に向かって
「放っておけ。いずれ自分の方から名乗り出る。」
と全てを承知したように言いきった。
ハッキングしていたのは我夢だった。藤宮を追っている筈のリザードの動きを監視しながら
車を走らせていた。

藤宮は、海岸沿いの道に停車した車の中で目を覚ました。
晴れ渡った空に青い海が輝いている。玲子は1人波打ち際を歩いていた。リザードに監視
されていることには、まだ気づていない。きれいな貝殻を見つけ微笑みを浮かべる玲子の
表情には悲壮感は感じられなかった。ふと人の気配に振り向くと、そこに藤宮が立っていた。
「人間は地球のバイ菌だ。バイ菌は殺菌しなきゃ、地球は破滅する・・・」
悲壮感を漂わせ、そう言う藤宮を玲子は笑った。
「何がおかしい!」
「まるで自分が地球になったように話すんだもん。」
「当たり前だ!その為にウルトラマンの光を授かった。」
「可哀想・・・」と言う玲子に、藤宮は「人間が?」と聞き返した。
「あなたがよ!地球から選ばれたが為に苦しんで自由を無くしてる!」
「俺にウルトラマンになるなと言うのか!他の人間のように身勝手に生きろと!」
「自分を大切にしてって言ってるの。地球のことを思う前に、まず自分を大事にしてよ!
 自分を大事にできない人間に地球を守れるわけないよ!」
藤宮にそう言った玲子は、急に明るい表情に戻って聞いた。
「ねえ、藤宮君のこと、知りたい。ずっと一緒に居るのに、私、、、藤宮君のこと何も
 知らない。。。」
「話すことは何も」
「嘘!藤宮君にだって、昔はいろんな夢があったでしょ。」
「・・・ない。」
玲子から視線をそらした藤宮の目に、近づいてくる我夢の姿が映った。

大変な事が起きようとしていると言う我夢に、藤宮は“もう遅い”と言い返す。
知っていたのに隠していた藤宮を責める我夢に、藤宮は「お前が鈍いんだ」と突っぱねる。
怪獣だって好んで現れるわけじゃないと言う我夢に、“いずれは目覚める”と切り返す藤宮。 どこまでも二人の信念は噛み合わない。我夢が言い切った。
「君はウルトラマンの力の使い方を間違っている!」
藤宮はきっぱりと言いきる。「俺が本当のウルトラマンだ!」
「違う!本当のウルトラマンは、」我夢がそう言いかけた時、藤宮の拳が我夢の頬下駄を
殴りつける。今度は我夢が藤宮に体当たりし殴りつけようとする。
「やめて!・・・この人、弱っているの。。。」
玲子のその言葉で、我夢は振り上げた拳を下ろした。

藤宮を乗せて玲子は再び車を走らせた。しかし、密かにリザードもそれを追う。
走る車の横に広がる青く輝く海を見ながら藤宮が言った。
「海を探検したかった。・・・俺の夢さ。
 人間は海のほんの上っ面しか知らない。地球の7割は海だというのに、
 どの国も自分とこの優秀さをひけらかそうと宇宙ばかり行きたがる。
 誰も海の本当の姿を知ろうとしない。だから、俺は・・・。
 あそこは、俺達の生まれ故郷なんだ。」
はじめて藤宮は心を開いて玲子に語りかけた。「素敵な夢ね」そう言う玲子の顔は清々しい
笑顔につつまれた。藤宮も穏やかな微笑をうかべながら海を眺める。

その時、玲子は後ろの車に尾行されていることに気づきアクセルをさらに踏んだ。
リザードもスピードを増して追ってくる。狙いは自分だから俺だけ降ろせと言う藤宮に玲子は
「絶対に嫌!守りたいの!私があなたとあなたの夢を守りたいの!」
そう言い、さらにアクセルを踏むが、追い越したリザードの車に進路を塞がれ、ハンドルを
切った玲子の車は、ガードレールを突き破り崖下へと転落していった。
慌ててリザードの二人が崖下を覗く。
突如、崖下から天に向かって垂直に青い光が飛び立つ。そこにはアグルの姿があった。
アグルは二人スレスレに光線を放ち、海の方へ飛び去っていった。

アグルの手のひらに乗った玲子は驚きのあまり目をきょろきょろとさせていた。
飛び去って行くアグルを見た我夢は言う。
「藤宮、お前はウルトラマンじゃない!」しかし砂漠の夢が脳裏をよぎる。
そこには、ガイアの化石と共に、砂に埋もれたアグルの化石もあったのだ。
迷いを振り払うかのように我夢は変身する。「僕が本当のウルトラマンだ!」
澄みきった空の下、青く輝く海の上をアグルは玲子を乗せ飛んでいた。
玲子はよろこびを胸一杯にして、両手をいっぱいに広げ、海の風を体全体で受けている。
アグル、いや藤宮もそんな玲子をやさしく見つめていた。
突如、後ろから近づいてくる気配・・・振り向くとそれは、ガイア、いや我夢だった。
ガイアはアグルに降りるよう合図する。地上に降り立ったアグルは玲子を降ろそうとするが、
「いや!私と一緒に居れば、誰もあなたを傷つけられない。」
嫌がる玲子をそっと降ろし、アグルはガイアとの決戦の場に飛び立った。
「藤宮君!連れてってよ!」玲子は叫んだ。

決戦の場。対峙する両雄。藤宮が言い放つ。
「どっちが本当のウルトラマンか決着をつける時がきたようだな!」
「望むところだ!」と我夢が受けてたつ。
遂にガイアとアグルの決戦の火蓋は切られた!
壮絶な肉弾戦!
「どうしてこうなるの!」玲子は戦う二人を見て叫んだ。
互いに一歩も譲らない闘い。
大切なものを守るために自分の信念を信じて闘う者同士、
それが互いに受け入れられない者同士の宿命なのか・・・
壮絶な死闘がつづく・・・
両雄の戦う姿を見つめるエリアルベース。遂に、ファルコン、クロウの出撃命令が下される。
石室コマンダーが決意したように言った。「俺も行く。」
両雄の激突のたびに、エネルギーなのか?激突の光が宇宙のワームホールへと一直線に吸い
込まれて行く。激しい空中激突で、さらに光がワームホールへと流れ込む。
そして、両雄のライフゲージが赤く点滅をはじめた。
玲子は必死に叫ぶ「やめて!二人が戦って一体何になるの!」
戦いの場へ走り出そうとする玲子をリザードの二人が掴み止める。
ファルコン、クロウ、そして、コマンダーを乗せたピースキャリーの見守る中、遂に、両雄は
必殺技で蹴りをつけようと構えに入った。
赤と青の光の粒子が広がり、、、
そして、アグルはフォトンクラッシャーを、ガイアはフォトンエッジを互いに向けて放った!


感想

第23〜26話の感想は、第26話にまとめて掲載します。

次回は、いよいよガイアのバージョンアップだ!!

次回予告

決着の日

勝利するのはガイアかアグルか?
その時、最大の敵が地球を襲う!!
我夢『大事なものなんて、いくらでもあるじゃないか!!』


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