ガイア最新話感想

第18話

アグル対ガイア

放映日

1999年1月9日

登場怪獣

甲殻怪地底獣 ゾンネル
超巨大天体生物 ディグローブ


脚本

小中 千昭

監督

村石 宏實

特技監督

村石 宏實


ストーリー

「ウルトラマンアグルこと、藤宮は、地底に眠る怪獣『ゾンネル』を自らの手で復活させた。
 ゾンネルの体内には爆発的エネルギーがあふれ出そうとしている。
 一方、宇宙からは『超巨大天体生物 ディグローブ』が東京めがけて猛スピードで
 落下していった。最大の危機を乗り越えられるか?高山我夢、ウルトラマンガイア!」

アグルはゾンネルの背中を開き、エネルギーを放出しようとしていた。
ガイアは自分の持つエネルギーの大半を使い、東京一帯にバリヤーを張った。
アグルはゾンネルの背中をこじ開け、急速に落下するディグローブへとエネルギーを放出した!
ディグローブは大爆発を起こした。その爆風でガイアは吹き飛ばされてしまったが、
東京はガイアの張ったバリヤーによって無事に守られた。

ガイアはアグル、ゾンネルのいるところへと戻ったが、エネルギーをかなり消耗しており、
その場に倒れてしまった。
アグルはそんなガイアを見てこう言うのだった。
「自分の命を犠牲にしてまで、何故人間を守る、我夢。」
そういうと、アグルは消えてしまった。
エネルギーを放出しきったゾンネルは、いびきをかいて寝ていた。

「ウルトラマンガイアは、怪獣を連れて美保山方面へ向かっています。」
チームクロウの稲城リーダがXIG司令室へ連絡を入れた。
クロウは、ガイアを追っていた。
ガイアはふらつく体でゾンネルをかかえて、空を飛んでいた。
途中落ちそうになりながら飛行を続け、ゾンネルを眠っていた場所へと
連れ戻したのだった。
それを見ていたクロウの多田野はこうつぶやいた。
「やさしいんだ、ガイアって・・・。」

何事もなかったかのような東京の街中を、藤宮は歩いていた。
どこからか、KCBのレポーター吉井玲子の声が聞こえてきた。
ビルに設置してある巨大ビジョンの中で、彼女はウルトラマンについて語っていた。
「あの天体生物すらも、根源的破滅招来体が原因で地球を狙ったのだとしたら、
 いったいこの先、私たちはどんな危機に見舞われるのでしょうか?
 あの二人のウルトラマンは、なぜ二人の巨人は力を共にしようとしないのでしょうか?
 でも私は信じています。あの二人のウルトラマンが、きっと私たちを救ってくれると。」

その頃我夢は、ファイターEXでエリアルベースへと戻る途中であった。
我夢は堤チーフに、連絡が取れなかったのは通信機に故障が発生したからだと伝えた。
我夢はEXにオートモードで飛ぶように指示し、ふとEXに話しかけるようにつぶやいていた。
我夢は、藤宮が言った「人間が地球にとって不要なもの」と言う言葉を信じたくなかった。
そして、藤宮がアグルの力をつかめたということも疑問であった。
EXのコンソールには、EXのようなロボットがCGで映し出されていた。
EXは我夢の言葉に寂しそうな顔を見せて、「私には答えられない質問です。」と言った。
我夢自身も、自分で答えを出さなければいけないことだと分かっていた・・・。

放送を終えた玲子はスタジオを出た。外で待っていたカメラマンの倫文に、夕飯を誘われるが、
彼女は元気がなかった。倫文はそんな玲子を見て、青いウルトラマンが出てきたときはいつも
そんな感じだと言った。
玲子がエレベーターホールにやってくると、突然藤宮の声が聞こえてきた。
「ウルトラマンは、根源的破滅から地球を救うものだ。」
玲子はその声に答えた。
「ならどうしてウルトラマン同士が戦ったの?」
「自分がすべきことを分かっているかどうかの差だ。」
「すべきこと?」
「地球を救うことと人間を救うことは同じではないんだよ。
 今度テレビに出るとき、そのことをちゃんと言うんだな。」
そういうと、藤宮はエレベーターとは別の方向へと歩いていった。
倫文に無理矢理エレベーターに乗せられた玲子だが、ドアが閉まる前に降り、藤宮を追いかけた。

エリアルベースへ帰還した我夢は自室へと戻り、ゾンネルに突き刺さっていた装置の解析を行っていた。
突然NAVIに敦子から連絡が入る。「ねえ、そっちへ行ってもいい?」
我夢は慌てて上着を着た。それと同時に玄関のベルが鳴った。
ドアを開けると、箱を持った敦子が入ってきて我夢の部屋を見回し一言いった。
「掃除ぐらい、したら?」 ちょっとムッとした我夢だが、すぐ笑顔に戻り、
「どうしたのさ。」 と聞くと同時にジョジーが現れた。
「ハーイ!お祝いしてよ。」
前日はジョジーの誕生日だったが、バタバタしていてパーティーができなかったのであった。
敦子が持っていた箱の中身は、バースデイケーキであった。
「おめでとうジョジー!」 といいながら誕生日の歌を歌ったが、ジョジーは
「ハッピバースデイ・トゥ・ミー」 と歌っていた・・・。

藤宮と玲子はKCB近くの歩道橋にいた。 玲子は藤宮に言った。
「ウルトラマンは人間の言葉が通じると教えてくれたよね?
 何となく分かった。ウルトラマンは人間なんだなぁって。」
「俺はそんなことまで言ってない。」 藤宮は道路を見つめながら言った。
「じゃあどうしてわざわざ私に教えてくれたの?
 本当は言いたいんじゃない?自分が青いウルトラマンだって!」
玲子は思いきって言ってみたが、
「・・・違うか。だったらいいなぁと思ってさ。
 そしたら独占スクープできるし。」 と冗談めいてみた。
しかし、藤宮の口から出た言葉はストレートだった。
「あんたのいう通りかもな。」
「え?」
「俺は誰かに言いたかったのかも知れない。」
「やめてよぉ・・・。」
「しかし言ったところでどうにもならないことだ。」
そういうと、藤宮は歩道橋の階段を下りていった。
玲子はその後ろ姿に向かって、大声で言った。
「やめてよぉ!どうして私にそんなことまで教えるのよぉ!」

我夢の部屋では3人がケーキを食べていた。
敦子は、我夢に何をしていたのかを聞いたが、何もしていないと否定する前に、
ジョジーが机の上にある、さっき調べた装置を見回していた。
ジョジーはその装置のことを知っていた。それはインドのアルケミースターズが
作ったという、つい最近実用化された、リアルタイムでアセンブルする機械語
デコーダーだった・・・。
二人が帰り、我夢は机でウトウトしていると、突然「機械語デコーダー」が
反応し始めた。 我夢はそれを見て藤宮が近くにいることを感じた。
コンピューターを調べると、エリアルベースに侵入者が居ることが分かった。
我夢は、XIG司令室へと行くと、その入口前にジョジー、敦子、堤の3人がいた。
ドアを開けるためのアクセスキーが認証されないのであった。
すると突然、エリアルベースが大きく揺れた。
我夢はリパルサーリフトに問題があると、駆け出した・・・。
XIG司令室の中では、藤宮はコンピュータを操作しリパルサーリフトを停止し、
エリアルベースを落下させようとしていた。
我夢は、ウルトラマンガイアになりXIG司令室へと現れた!

その頃、石室コマンダーと千葉参謀が、戦闘員を連れてXIG司令室前へやってきた。
このままでは赤道軌道を離れ地球の重力に引きずられ、地上へと落下してしまう。
しかし、コントロールが集中しているXIG司令室へ入れない。
ジョジーと敦子はメインコンピュータルームへと向かい、直接コマンド入力することにした。

XIG指令室内では、ガイアと藤宮が向かい合っていた。
「こんな物があるから人間はつまらない希望を抱いて現実を見つめない。」
藤宮がそういうと、ガイアになった我夢がこう言った。
「希望を持つのがいけないというのか?」
「根源的破滅招来体を相手にどんな希望を人間が持てるんだよ。」
「じゃあ君は何をしようとしているんだ?地球の怪獣を使って。」
「力には力しかないんだよ、我夢。地球が隠していた強大なる力。
 それを俺は託されたんだ、この地球からね。」
「ウソだ!人間を犠牲にした力なんて間違っているぞ!」
「アグルこそこの地球を救うものなんだ。
 我夢、おまえもその一人だと思っていたが、あくまで敵となるのか!」
そして、藤宮はアグルへと変身した・・・。
ガイアとアグルのバトルが開始された!
アグルはXIG指令室内の設備を破壊しようとしたが、ガイアは自ら
を盾にして守った。そしてアグルにかかっていった。

なんとかメインコンピューターまでたどり着いたジョジーと敦子は、
カバーを外した。「やる!」と敦子は気合いを入れ、作業を開始した。

XIG司令室の真下にはチームシーガルがかけつけ、司令室の床へ
穴を空けるための場所を探していた。
シーガルのマイケルは、爆破できる箇所を見つけた。松尾はジェクターガンに
小型ミサイルをつけ、その箇所を爆破した。
アグルのいた場所のすぐそばに穴が空けられた。

敦子はメインコンピューターのメインフレームを保護し、リパルサールフトの
復帰に成功した!
その連絡を受けた石室は、戦闘員にXIG司令室への強行突破を命じた。
ガイアはリキデイターを放とうとしたので、ガイアはクァンタムストリームを
発射した。しかし、アグルは自分は光線を発射せず、アグルの発射した光線を
よけた。エリアルベースの壁に穴が空き、アグルはそこから外へと逃げてしまった。
穴が空くと同時に、XIG司令室の入口のドアが開き、戦闘員一人が屋外へ
吸い出されそうになったが、ガイアが外へ飛び出した後にその穴はふさがり、
戦闘員は助かった。
アグルとガイアを目撃した千葉はこうつぶやいた「ウルトラマンが、なぜここに?」

ガイアは逃げ出したアグルを探した。アグルは巨大化しており人間大のガイアを
パンチで地上にたたきつけようとした。
ガイアは落下しながら我夢の姿へと戻ってしまった!
落下しながら我夢は考えた。
「このまま僕は落ちてしまうのか?ガイアの力が本当だとしたら・・・。
 僕ただ思いこんでいただけなのか?ウルトラマンは地球と人類、みんなを救う光であって・・・。
 違う!絶対アグルは間違っているぞ!!」
そして我夢は叫んだ。「ガイアーーー!!!」
地上へとたたきつけられる直前、我夢は再びガイアへと変身した。
地上へ落下したガイアは、エネルギーを消耗しておりカラータイマーが点滅していた。
アグルは巨大化したまま地上へと降り、人間大のガイアを攻撃した。
ガイアは倉庫へと入り、巨大化しようとしたが、エネルギーが足りずできなかった。
アグルは人間大にとなり、ガイアの居る倉庫へと入って来た。
アグルはガイアにかかってくるようにと挑発した。
二人のウルトラマンは素手で戦い始めた。
しかし、今度はガイアの方が優勢に感じられた。
アグルは右手を光る剣に変え、ガイアへと襲いかかった。
格闘の末、ガイアはフォトンエッジで剣を吹き飛ばした。
そして二人は互角の戦いになり、ついには二人とも人間の姿へと戻り倒れてしまった。
「強くなったな我夢・・・。」
そして、藤宮は傷ついた体を起こしながら言った。
「しかし、おまえは倒す!俺の邪魔をする存在は排除しなきゃな!」
そう言い残し、藤宮はフラフラになりながら倉庫を出ていった。
倒れている我夢は一言つぶやいた。
「どうして、地球はアグルの力を・・・。」

チームクロウがウルトラマンの捜索にやってきた。
「ウルトラマンは?」稲城リーダーが、そして
「・・・消えてる。」多田野がつぶやいた。

我夢は倉庫で叫んだ。
「なぜだ!どうしてなんだーーー!!!」


感想

前回の「天の影 地の光」と二部構成で、今回は後編という感じのストーリーでした。

今回は、シリーズ構成を担当している「小中千昭」さんの脚本ということで、
どのような展開になるか非常に楽しみにしていました。
いろいろと驚かされ、小中エッセンスがたっぷりふりかけられたストーリーだったと思います。

今回、何が驚かされたか言えば、なんといっても吉井玲子の思い切った発言でしょう。

 「本当は言いたいんじゃない?自分が青いウルトラマンだって!

藤宮に対してこの言葉を放ったときには、ものすごく驚きました。
しかし、その後の藤宮の答えの方がもっと驚きました。

 「あんたのいう通りかもな。
 「俺は誰かに言いたかったのかも知れない。

今までの藤宮の行動を見ても、誰かに自分の存在を、自分がウルトラマンであることを
認めて欲しかったのだと私も思います。
吉井玲子はこの後、青いウルトラマンについて、どのように語っていくのでしょうか?
また、藤宮とはどのような関係になっていくのでしょうか?

今後の展開が楽しみなところです。

敦子が我夢の部屋に行ったとき、我夢は妙に敦子のことを意識していた様子でした。
敦子は、最初から我夢のことを意識していたようですが、我夢はいつのころから敦子を
意識し始めたのでしょう?
この二人の展開も、今後楽しみなところです。

あのEXのコンソール画面に現れたCGは、我夢が作り出した物なのでしょうか?
あの「EX君(仮称(^_^;))」は、今後もガイアのマスコットとして登場してきて
欲しいですね(^_^)。

さて、今回最大の見せ場は当然のことながら、「アグル対ガイア」でしょう。
ちょっと疑問に思ったのですが、この18話のタイトルではアグルが先になっています。
普通、主役側が先になると思うのですが、この意図はいったい何なのでしょうか?

ガイアは、アグルのしてきたことに対して、アグルから見れば「妨害」してきた感じでした。
今回のゾンネルの件で、ついに怒ったのでしょうか、藤宮はついにエリアルベースに乗り込んで
人類の象徴と言うべきエリアルベースをたたき落とすという大胆な手段にでてきました。
結局、敦子のおかげでエリアルベースは守られ、
バトルの方も、我夢がこの日にそなえて体を鍛えていたのでしょうか、アグルと対等に戦うことが
でき、引き分けに終わりました。

ガイアとアグル。どちらも人間に託されたと思われる、地球からの力。
地球は、その選択を二人の人間、我夢と藤宮に託したのでしょうか?
根源的破滅招来体から地球を守りたく、力の欲しかった人間二人に。
ガイアでは、地球として「人類の選択には干渉しない」ということで、どちらが勝っても
本当は地球にとっては一緒なのではないか?とそんな気もします。
とはいうものの、アグル自身、人類を滅亡させることが目的ではないと私は思っています。
根源的破滅招来体から地球を守るのが地球から託された仕事であって、その中で人類が
犠牲になってもやむを得ないと言う風に思っていると、いまはとらえています。
確かに藤宮は、アルケミースターズの時に、人類という存在をなくすことによって地球を
滅亡の危機から救うという結論に達しましたが、アグルの力を持って人類を滅亡させると
いうことはしていません。
アグルに対する、これからの展開は目の離せないところです。

今回一番活躍したのは、敦子ではないかと思います。
地上に落下しそうになったエリアルベースのリパルサーリフトを作動させるために、
自らの意志でメインコンピューターへと行き、冷静に作業をしていました。
女性オペレーターの強さを見せられました(^_^)。

今回のストーリーは、今後のガイアの展開に指針を与えるようなものであったと思います。
これを踏まえて、今後はどうなっていくのでしょうか?
いろいろと楽しみなところです。

次回は、これで三度目?あの怪獣はいったい何?

次回予告

迷宮のリリア

またまたあいつがやってくる!人の心を蝕む死神のようなあいつが!
敦子に何が?


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