ダイナ最新話感想

最終章3
(第51話・最終回)

明日へ・・・

放映日

1998年8月29日

登場怪獣

グランスフィア
ネオガイガレード


脚本

長谷川 圭一

監督

小中 和哉

特技監督

大岡 新一


ストーリー(長いですよ)

クラーコフは、「巨大な闇」に最終兵器「ネオマキシマ砲」を発射した。
弾道上にいたスフィア合成獣「ネオガイガレード」は、粉々に粉砕され、
発射されたエネルギーは闇の中心部を貫いた!
中心部で何回かの爆発があり、内部からプラズマが放出されたが、闇の勢力は衰えなかった。
「まだ終わるわけにはいかねぇ!」
闇の重力に捕らえられたクラーコフの中で、ヒビキ隊長は叫んだ。
クラーコフは、闇の中心部へと吸い込まれていった。
「エンジン全開!なんとか闇の重力圏から脱出しろ!」コウダがナカジマに叫ぶ。
「ダメです!全機能、正常に作動しません!!」
両手でおもいっきりコンソールを叩き、ナカジマが落胆の声を上げた。
その時、ダイナがクラーコフの前に現れ、闇の中心部に対してソルジェント光線を発射した。
すると、中心部の「グランスフィア」の影が見え、闇の重力場が一瞬弱まった。
スフィアの笑い声が聞こえる・・・。
「重力場が弱まった・・・今です!」ナカジマが叫ぶ。
「ネオマキシマ始動、全速力で闇より離脱!」コウダがマイへ指示を出す。
なんとかクラーコフは、闇の重力圏から離脱できた。
ダイナも重力圏から離脱した。
「アスカ!」
ダイナが木星の衛星ガニメデに置いてきたガッツシャドーから、リョウが叫んだ。
ダイナはガッツシャドーを手に持ち、ミラクルタイプへと変身し、闇から急いで逃げた。
巨大な闇はガニメデ基地を破壊し、そしてガニメデ自体も闇にのまれていった・・・。

ダイナはアスカへと戻り、リョウを抱えてクラーコフ内部へと入った。
「着いたぜ。」アスカがリョウに言った。
「『君だけを守りたい』だなんて、正義の味方のセリフじゃないわよ。」
「かもな。でも俺は、俺だから・・・。」
と、いいながらアスカは倒れそうになり、リョウに抱き留められた。
アスカは苦しそうだった。そんなアスカを、リョウはしっかりと抱いた。
「リョウ・・・。」
アスカは、驚いたようにそうつぶやいた・・・。

TPC本部上空に、グランスフィアが姿を現した。
「スフィア・・・なんて巨大な!」
ミヤタ参謀は言った。
「地上各都市上空にも、同じ球体が出現しています!」
コンソールを操作しているTPC隊員は、そう言った。

グランスフィアは、人類に対してこう訴えた。
「人類よ、そのもの達の中へと同化せよ。そのもの達もかつて、おまえ達と同じ様な人間であった。
 限りある命におびえ、互いに争い、ついには自らの星をも破滅への危機へと追いやった。
 だが彼等は克服したのだ。人を、あらゆる有機物、無機物を、ついには惑星自体も一つに融合し完成させた、
 完全無欠の生命体。それが私だ。まだ間に合う。地球が滅び去るその前に、私はおまえ達を迎え入れよう。
 私こそ地球の歩むべき、『未来』だ。」
そういうとグランスフィアは消えてしまった。それは実像ではなかった・・・。

「でたらめだ!そんな完璧な世界などあるもんか!」
コウダは唸った。
「でも・・・理にはかなっています。」
ナカジマはゆっくりとそう言い、続けた。
「人間の科学が、すべての生態系を改造できれば、環境破壊による滅亡を回避できる。」
「でもそれは、生きてるって言えるのか?」
ヒビキは、ナカジマの言葉に反論した。
「死がなくなる代わり、夢も、ロマンもなくした世界。本当に俺達が目指している未来なのか?」
「でも、それは・・・。」
ナカジマも反論しようとしたが、ヒビキはそれを遮るように叫んだ。
「不完全でいいじゃないか!矛盾だらけでもかまわねぇ!」
そして、ヒビキはゆっくりとこう言った。
「・・・人の数だけ、夢がある。俺はそんな世界の方が好きだ。」
カリヤも言った。
「それにやつらは多くの人の命を奪った。今度だってリョウやアスカを!」
「俺達は生きてますよ!」
その時、アスカとリョウがクラーコフのコックピットへと入ってきた。
「おまえ達!どうやってここに?」コウダが驚いたように聞いた。
「忘れたんすか?俺は不死身のアスカ・・・。」
というと、アスカは胸を押さえて倒れそうになった。
しかし、駆け寄ったS−GUTS隊員達に支えられた。
ヒビキが抱き起こし、アスカの肩をつかみこういった。
「信じていたぜぇ。こうやってまた、仲間の元へ帰ってきてくれるとな。」

クラーコフは火星へと着陸した。
「ダイモス消失。火星が超重力の影響下に入りました。」
マイが言う。
「ネオマキシマ充填まで後一時間・・・間に合うのか?」
カリヤが不安そうに言う。
「この戦いに、俺達が負ければ、人類すべてが闇に消え去る。」
ヒビキが唸る。
「しかし、敵のバリヤーを破らない限り、殲滅は不可能です。」
カリヤが言う。そしてアスカが言った。
「ストレートで駄目なら、ボール玉を振らせるしかない。」
「ボール玉を?」
カリヤが訪ねるように言った。
「あの闇から脱出するとき、俺は確かにみたんです。
 やつがバリヤーを張った瞬間、その奥に中心核の姿が・・・。
 敵がバリヤーを一点に集中したとき、脇ががら空きになる。
 だから吊り球に、やつの注意がそれた瞬間、勝負球をぶち込みさえすれば・・・。」
「ちょっと待った!」
と、アスカが説明するのを遮り、ナカジマは割り込んだ。
「もしそれが事実なら、我々にはまだ勝ち目がある。」
ナカジマは、考えながらそう言うと、アスカに向かってこう聞いた。
「でもアスカ、おまえそれいつ見たんだ?」
「え?・・・いや、だから・・・。」
アスカは迷った。コウダはアスカに向かってはっきりとこう言った。
「後がない状況だ、根拠なしで作戦は決められない。」
「あのぉ・・・俺・・・。」
アスカはどういっていいのか迷った。リョウは心配そうにアスカを見つめた。
その時、ヒビキがアスカにこう聞いた。
「やつがクラーコフをかばい、光線を撃ったときだ。そうなんだろ?」
震える声で、リョウが言った。
「隊長?・・・アスカのこと・・・。」
ヒビキは笑いながら頷いた。そしてアスカに近づき笑いながらこう言った。
「おまえは、目立ちたがり屋の単細胞やろうだ。」
そして、真面目な口調でこう続けた。
「そんなおまえが、今まで黙ってた・・・・自分が・・・『ダイナ』だってことを。」
コウダ、ナカジマ、カリヤ、マイは驚いてアスカの方を見た。
「なぜだ・・・なぜ苦労を背負い込んでんだ?」
ヒビキのその言葉に、アスカはゆっくりとこう言った。
「俺・・・確かに目立ちたがり屋だけど・・・それ以上に、照れ屋なんすよ。」
リョウはその言葉を聞いて笑った。その目には涙がにじんでいた。
他の隊員達は、ただ呆然と立ちつくしていた。
ヒビキはアスカの肩を叩き、何度も何度も頷いた。

「クラーコフより入電。火星軌道上で闇に対し、最終作戦を決行するとのことです。」
S−GUTS司令室に連絡が入った。
「ネオマキシマ砲を封じられ、勝算はあるのか?」
フカミ総監は唸った。
「部下達をまず信用する。それは総監としての役目だ。」
「サワイ総監・・・。」
フカミ総監は驚いた。TPCの前総監であったサワイとイルマ参謀がS−GUTS司令室に
入ってきたのだ。そしてイルマが言った。
「彼等はきっと勝ちます。そしてここへ帰ってきます。」

クラーコフの中では作戦会議が開かれ、コウダが説明していた。
「闇が衛星フォボスに接近したとき、ネオマキシマ砲を中心核に向け発射。
 敵のバリヤー発生と同時に・・・。」
「俺のウィンニングショットで確実にきめる。」
アスカが言った。
ヒビキは大きく頷いた。
「作戦開始は30分後だ。各自、準備にかかれ!」
「ラジャー!」
全員でかけ声をかけると、各自持ち場へとついた。

アスカは、格納庫にあるアルファスペリオルへと向かった。
アルファスペリオルでは、ナカジマがコックピットの中で最後の微調整を行っていた。
アスカはナカジマに声をかける。
「ナカジマ隊員!」
「おぅ。いくら技術が進んでもな、最後はこうやって人の手で調節してやることが大事なんだ。」
アスカは階段を上り、コックピットへと上がっていった。
「さっき俺が戻ったとき、隊長に反論されてたでしょう?」
ナカジマは照れるようにこう話し出した。
「う〜ん、なんかねぇ、ひっさびさに親父のこと思い出しちゃった。
 隊長に言われた言葉・・・まるで親父とそっくりだった。」
「え?」
ナカジマは、父のことを語り始めた。
「一流の学者なのにさあ、夢だのロマンだのって、まるっきしお金には縁遠くって、
 結構、家族は苦労したんだよ。俺も恨んだ。親父の生き方なんてダメだとも思った。
 だから俺は、絶対に人に認められるような科学者になってやる。そう思ってた。そしてなった。
 けどな、俺が今、こうやってがんばっていられるのはさ、親父のおかげなんだよね。
 俺どっかで、親父のこと尊敬してるよ。俺はず〜っと、誰がなんて言われようがどういわれようが、
 俺は、親父のことが好きだった。」
そしてナカジマは、また照れたように笑いながらこう言った。
「矛盾だわこれ・・・矛盾・・・俺の嫌いな矛盾だね。」
アスカは笑みを浮かべていった。
「でもそれって、素敵な矛盾っすよ。」
ナカジマはさらに照れた。
「バカ!おまえ変なこと言うな、おまえ、手元狂うじゃないかよ!」
そして、ナカジマに向かってアスカもこう言った。
「俺も、親父に負けないようにがんばります。」

巨大な闇「グランスフィア」は、火星の衛星フォボスへ近づいてきた。
火星基地も闇の重力圏内に入り、建物が次々と破壊されていった。
そしてダイゴが花を育てている、バイオパークも・・・。

クラーコフは火星基地を離陸し、グランスフィアへ最後の決戦を挑みに向かった。
「アスカ、発進準備はいいか?」コウダの声がアルファスペリオルのコックピットに聞こえる。
「勇気リンリン!いつでも行けます。」アスカは答えた。
「コンピュータの計算だと、闇の破壊と同時に巨大な重力崩壊が生じる。
 光すら脱出不能だ。時空のゆがみだ。」
コウダは言った。
「俺が決め球をきめるとき、近づきすぎるなということですよね?それはなんども・・・。」
アスカが言いかけたとき、コウダは怒った。
「何度言っても、おまえは無茶をするだろ!」
そして、コウダは気を落ち着かせてこう言った。
「アスカ、今度ばかりはいつもと違う。時空のゆがみにのまれたら、
 たとえおまえでも二度と・・・二度と帰ってこられなくなるぞ。」
「大丈夫です!俺は帰ってきます。次に空を飛ぶために、次もまた空を飛ぶために。」
「アスカ・・・。」アスカの言葉を聞いてリョウがつぶやく。
「俺は必ず帰ってきます!」
アスカがそう言うと、ヒビキはにっこり笑った。
「時間だ・・・作戦開始!」
「アスカ、発進します。」
アスカの乗ったアルファスペリオルは巨大な闇の中心部へと向かっていった。
地上では、人々がビルに備え付けてある大型スクリーンで、その模様を見て声援を送っていた。
その中に、アスカの恩師であり、また父カズマと親友でもある、ミシナ教官の姿があった・・・。
S−GUTS司令室でも、フカミ総監はじめTPCの首脳陣が見守っていた。

「アスカ、一度聞きたかったんだけど。」
アルファスペリオルのスクリーンには、笑顔のリョウが映し出されていた。
「どうして、そう前にばかり進もうとするの?」
アスカは前を見つめ答えた。
「それが・・・人間だから。」
「え?」
「親父が教えてくれたんだ。人間は、前に進む力を持っている。だから今、俺達はここにいる。」
 その言葉を聞くと、リョウはマイと変わった。
「アスカ!」
マイは泣きそうな声で言った。
「マイ、『ダイナ』なんてかっこいい名前つけてくれてサンキュウ!
 結構気に入ってたんだぜ。」
アスカはマイに礼を言った。
「『ダイナミック』なダイナだよ。『ダイナマイト』のダイナ・・・。
 そして・・・『大好きな』ダイナ!」
「ありがとな、マイ。」
アスカはもう一度マイに礼を言った。マイの目から一筋の涙がこぼれ落ちた・・・。

アスカはリーフラッシャーを手にした。
「父さん、行くぜ!」
そう言うとアスカはリーフラッシャーを開いた。
そのクリスタルから光があふれ出て、アスカを包んだ。
光はアルファースペリオルを抜けだし、そしてその光の中からダイナが姿を現した。
S−GUTSの仲間達は、巨大な闇へと向かうダイナの姿を見つめていた。
「ウルトラマンダイナだ!」地上で見ていた子供が叫んだ。
その姿を地上で見ていたミシナ教官は、こうつぶやいた。
「カズマ、見てるか。おまえの息子だ!」

「アスカ・・・いってらっしゃい。」
笑みを浮かべ、リョウはこう言った。
「各員・・・最終砲撃準備!」
「ラジャー!」
ヒビキの声で、S−GUTS隊員達が叫んだ。

「発射角修正。目標、闇中心核!」
マイがそう叫びながら、クラーコフの中心部分に装備された
ネオマキシマ砲を闇の中心部へと向けた。

「おまえはなんだ。なぜ私の邪魔をする?消えろ!」
闇に向かっていくダイナにグランスフィアはそう言うと、中心核からプラズマを発射した。

「ネオマキシマ砲、エネルギー臨界!」ナカジマが叫ぶ。
「照準ロック完了!」カリヤが言う。
「アスカ、攻撃ポイント到達まで、距離2000!」マイがダイナを確認して言った。

「闇に溶け、地球は正しい進化をする。おまえには何ができる?
 闇に溶けろ、私に従え!」
グランスフィアは、青白い光を放った合成獣を中心核から送り出した。
(ふざけるな!)
ダイナとなったアスカは叫び、光線を放ち、怪獣達を粉々にした。

「アスカ、中心核への有効射程距離に到達しました!」マイが叫ぶ。
「よぉし!」ヒビキが叫ぶ!
「カリヤ、ネオマキシマ砲発射!」
「ラジャー!」
コウダの声で、カリヤはネオマキシマ砲の発射ボタンを押した!
ネオマキシマ砲は中心核へと再度発射された。
そのエネルギー弾道はダイナの飛行するすぐ下を通って、まっすぐに
中心核へと向かっていった。
エネルギーは中心核を貫き、そしてグランスフィアの姿が現れた。
「今だアスカァ!」ヒビキが叫ぶ。
(俺は俺だ!ウルトラマンダイナだ!)
そう叫ぶと、ダイナはソルジェント光線を中心核のグランスフィアに対し発射した!
(とどけぇー!!)
アスカのウィニングショットはグランスフィアを貫いた!!
中心核が激しい爆発を起こした。
「やったぁー!」カリヤが喜びの声を上げる。
「アスカ!すぐそこから離れるんだ!!」
カリヤはすぐさま叫んだ!
中心核の爆発により、時空のひずみが発生し始めた。
ダイナは急いで逃げた。しかし、ダイナは時空のひずみに捕まってしまった!!
(負けるかぁ!!)
アスカの叫び声もむなしく、ダイナは時空のひずみに吸い込まれていった。
「アスカーーー!!!」リョウが叫んだ。
・・・ひずみは消えた。すると、突然光が現れ宇宙を照らし始めた。

破壊されたバイオパークにいたダイゴは、その光を見つめた。
「ヒカリ・・・。」ダイゴがそうつぶやくと声が聞こえた。
「パパー!」それは、娘の『ヒカリ』の声だった。
ヒカリとレナが父の元にやってきたのだった。
ヒカリはダイゴに抱かれた・・・。

「闇に呑み込まれたすべての惑星が戻った。
 アスカ隊員の力が奇跡を起こした。本当にご苦労だった。
 全人類を代表して・・・礼を言わせてもらう。」
フカミ総監は、クラーコフにいるS−GUTS隊員達に礼を述べた。
「星が返ってきたのか・・・。」
ナカジマはつぶやいた。
「それじゃ、どうして、どうしてアスカは帰ってこないんですかぁ!」
マイは泣きながら叫んだ。
「俺達は・・・アスカの命を引き替えに・・・。」
カリヤが辛そうに言う。
「アスカは死ぬものか!」コウダは、マイの肩を抱きそう言った。
「でも!」マイは叫んだ。
「アスカは帰ってくる。いつか必ず。」リョウは涙をこらえながらそういった。
「リョウ・・・。」ヒビキがリョウの方を向いた。
リョウもヒビキの方を向き言った。
「アスカがそう約束したから。」
そして、リョウは前を向き、こう続けたのだった。
「アスカは今も飛んでるわ。前へ向かって・・・。」

・・・アスカは目を覚ました。
彼は虹色の光の中を、アルファスペリオルに乗って飛んでいた。
その前には父カズマが最後に乗っていた「プラズマ百式」が飛んでいた。
アスカは並んで飛んでみた。
そして微笑みながらプラズマ百式のコックピットを見た。
プラズマ百式には、父カズマが乗っていた。
カズマもアスカの方を向き、微笑んだ。
そしてカズマは軽く頷き、前を見た。
二人は光の中へと消えていった・・・。

クラーコフから宇宙にきらめく、一つの光が見えた。
「あれは・・・。」カリヤが言う。
「星!・・・ウルトラの星。」マイが言った。
「ウルトラの星・・・か・・・。」ナカジマがつぶやいた。
「俺達も行こうじゃねぇか。アスカに追いつけるようにな!」
ヒビキは言った。
「・・・隊長。」リョウはヒビキを見つめ、言った。

S−GUTSの勇者達はウルトラの星を見つめた。
そしてコウダが叫んだ!
「ラジャァ!」
みんなも叫んだ!!
「ラジャーーー!!!」

ヒビキはみんなを見つめ、そしてウルトラの星を見つめ、こう言ったのであった。
「夢を信じられる限り、光はここにある!」

THE END

感想

ウルトラマンダイナは、ついに最終回を迎えました。
今回の見所としては、

 ・ヒビキ隊長の告白
 ・マイの告白
 ナカジマの父親話
 ・アスカとカズマの再会

ではないでしょうか。

アスカが、闇の中心部で起きた出来事について説明をし、ナカジマにそれをいつ見たのかと
問いただされたとき、ヒビキ隊長はついに告白します。

おまえは、目立ちたがり屋の単細胞やろうだ。
そんなおまえが、今まで黙ってた・・・・自分が・・・『ダイナ』だってことを。
なぜだ・・・なぜ苦労を背負い込んでんだ?

ヒビキのその言葉に、アスカはゆっくりとこう言います。

俺・・・確かに目立ちたがり屋だけど・・・それ以上に、照れ屋なんすよ。

ヒビキはアスカの言葉に、微笑みながら頷いていました。
ヒビキは、アスカに若い頃の自分を見ていたのかも知れません。
無鉄砲だが、常に前へ前へと進もうとしていた、若き頃を・・・。

ヒビキ隊長は、アスカがダイナだということをいつ知ったのでしょうか?
実は、この告白の時まで全然分かっていなかったのではないか?という気もします。

それより隊長より、他の隊員達の方が「アスカがダイナでは?」と疑問に思う機会が
たくさんあったと思いますが・・・。
隊長の告白の時に、他の隊員達も、「実は、俺もそう思っていた・・・。」
なんて言うんじゃないかと思いました。
最終回ということで、隊長をかっこよくみせた。そんな気がします。

「アスカとマイ」、「アスカとリョウ」、最後はどういう風になるのかと思っていましたが、
最終章で、アスカとリョウがくっつきました。
しかし、最終回ではマイにも告白の機会を与えてくれました。

『ダイナミック』なダイナだよ。『ダイナマイト』のダイナ・・・。
 そして・・・『大好きな』ダイナ!


ダイナを通して、アスカへの思いを告白したマイでした。

ナカジマ隊員が命名しようとしていた「ウルトラマンジャイアン
カリヤがつけようとしていた「ウルトラマンスーパーデラックス」。
やっぱり「大好きなダイナ」でよかったです(^_^;)。

グランスフィアとの最終決戦前に、アルファスペリオルでナカジマがアスカに、父親について
語ります。ナカジマはヒビキに反論されたとき、父親の姿を見たといい、こう言います。

一流の学者なのにさあ、夢だのロマンだのって、まるっきしお金には縁遠くって、
 結構、家族は苦労したんだよ。俺も恨んだ。親父の生き方なんてダメだとも思った。
 だから俺は、絶対に人に認められるような科学者になってやる。そう思ってた。そしてなった。
 けどな、俺が今、こうやってがんばっていられるのはさ、親父のおかげなんだよね。
 俺どっかで、親父のこと尊敬してるよ。俺はず〜っと、誰がなんて言われようがどういわれようが、
 俺は、親父のことが好きだった。


私はこの言葉を聞いて、実はナカジマ隊員を通して、ナカジマ役である「小野寺 丈」さんが、
亡き父親、漫画家の「石ノ森 章太郎」さんについて語っているのだと思いました。
今年(1998年)1月に他界した父に対しての気持ちを、ダイナの中で表現したかったのだと
思います。
それは、ダイナのテーマの中に「父親とはどういう存在なのか」というものがあって、
その一つとして、「ナカジマ隊員の持つ父親像=小野寺 丈の持つ父親像」を表現したのだと思います。
アスカの中のカズマ」というのは全編通してのテーマであった父親像ですが、今までのストーリーの中にも、
父親の存在について語ったストーリーがありました。

 ・「平和の星(第33話)」での娘ソノカからみた、父ヒビキ隊長
 ・「滅びの微笑(第35,36話)」での息子ツグム、娘ミライからみたホリイ隊員

です。
実は、これらはすべてダイナのメインライターとして活躍された「長谷川 圭一」さんが脚本を書かれて
いるのです。そういう意味でも、ダイナでは父親像を大事にしてきたと言えるでしょう。
これらをみて、私なりに解釈したことは、

 「父親は、男の子には尊敬される存在であり、女の子には大好きなお父さんであって欲しい。

ということを訴えているのではないでしょうか。
そして、

 「父は、誤解されやすい存在。

ということも言っているのではないでしょうか。仕事で忙しく、家にもなかなか帰ってこられない。
子供には、父親が何をしているのか分からない。子供達は、ただ仕事が忙しいということを理由に、
父親が自分とは話をしたくないのだと思っている。家にいるかと思えば、疲れたと言って寝ていたり、
小言を言うだけ。そんな父親も、実は一生懸命に仕事をしながら、子供達のことを忘れていない
そんな父親の気持ちを代弁してくれているような気がします。

ナカジマ隊員役の「小野寺 丈」さんですが、父「石ノ森 章太郎」さんの未完の大作「サイボーグ009」の
完結編を小説化する準備を進めているそうです。
章太郎さんは「サイボーグ009」の主人公「島村 ジョー」の名前を息子に与え、「」と名付けたそうです・・・。

アスカがダイナに変身するシーンは、地球にも生中継されていたのでしょうか?
アスカの恩師である「ミシナ教官」がダイナを見て、

カズマ、見てるか。おまえの息子だ!

といっていました。
全人類が、ウルトラマンは人間が変身するというのを目撃したのでしょうか?

ダイナはグランスフィアとの戦いの末、時空のひずみへ呑み込まれていましました。
我らがヒーローウルトラマンダイナが、もがきながら闇に消えてしまったのが、最後の姿であったのは
非常に残念です。最後はもうすこしかっこいいポーズでいて欲しかったです。

アスカはついに父カズマと光の中で再会することができました。
そして、父と一緒に飛ぶこともできたのです。アスカは父に追いつき、追い越すことができたのです。
二人は光の中を飛び続け、そしてみんなの元へと戻ってくるに違いありません。

次に空を飛ぶために、次もまた空を飛ぶために。

そして、ウルトラの星が宇宙にままたきました。

夢を信じられる限り、光はここにある!

ヒビキ隊長のこの言葉に、目頭が熱くなりました。

我々は、ウルトラマンを通して、夢を信じることを教わってきました。
子供達も、今ダイナをみて夢を信じることを教わりました。
光は絶えることなく、夜空に輝くウルトラの星のように輝き続けることでしょう。


ありがとうウルトラマンダイナ!!


次回予告

次回から、「ウルトラマンガイア」が始まります!

光をつかめ

襲い来る未知なるモンスターに、ガイアの闘魂が激突する!
いけ、バージョンアップファイトだ!


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