ダイナ最新話感想


第41話

ぼくたちの地球が見たい

放映日

1998年6月20日

登場怪獣

ダイオリウス


脚本

太田 愛

監督

川崎 郷太

特技監督

川崎 郷太


感想

ちょっと「あらすじ」を・・・。

輸送客船「ガゼル号」には木星衛星軌道上のステーションで生まれた第一世代の子供達、6名が乗船していた。
彼らは、はるか6億キロの航海を経て人類のふるさと、はじめてみる地球へとようやく近づこうとしていた。
客室で少年とその姉は話していていた。
「姉さん、地球にはバイオボックスに入っていない土がいっぱいあるんだよね?」
「そうそう、『大地』っていってね。」
二人は同時に、
「掘っても掘ってもそこが見えなくて・・・。」

S−GUTS司令室では、歓迎用ののぼりを作成していた。それには墨で「ようこそ地球へ」と書かれるはずだった。
「だめだ!」カリヤは叫んだ。
「『へ』が書けない・・・。」
文字がデカ過ぎで、最後の『へ』が書けなかったのであった・・・。

ガゼル号が地球との定期通信を行った。
定期通信はS−GUTSのマイが行った。それを見た乗組員の「シンジ」は叫んだ!
「船長、S−GUTSにすっげぇかわいい女の子が!」
船長とハルさんと呼ばれる男は、月の女性にふられたばかりだろうと、笑い飛ばした。
その時。後方から巨大生物が接近した!ガゼル号は地球へとSOSを発信した。
S−GUTSが発進しても間に合わないため、ステーションメガから「クリムゾン・ドラゴン小隊」が出撃した。
S−GUTSの調べで、その巨大生物は「ダイオリウス」と判明した。
ダイオリウスは、3年前に建設中の宇宙ステーションを襲い、全滅させていた。
電波や光などに反応するダイオリウスは、ガゼル号が発信するSOS信号に食らいついていた。
ダイオリウスは、ガゼル号にしがみつきシッポを外壁の一部に突き刺した。
「クリムゾン・ドラゴン小隊」が到着したことに、ダイオリウスはガゼル号から離れ飛び去っていった。
ダイオリウスはガゼル号に幼虫を植え付けていったのであった・・・。

ガゼル号の乗員は幸い全員無事だった。
しかし、船内を調査していたハルさんがDブロックで幼虫の犠牲となってしまった。
船長は、Dブロックの閉鎖を命じた。
幼虫はガゼル号船内に3体いることが分かった。
火星のマリネルス基地へ緊急着陸するため、コンピューターの軌道修正を試みたが、
ダイオリウスが接触したショックでコンピューターが誤動作をし、プログラムの変更ができなくなってしまった。

TPCでは緊急会議が開かれた。
そこでは、
緊急時のサブコントロールは、幼虫のいるDブロックにあり、プログラム変更は不可能。
火星からのレスキューも、ガゼル号のランデブーハッチの損傷がひどく使い物にならないため不可能
ということが明らかにされた。
そして、ナカジマ隊員が恐ろしい内容の報告をしにやってきた。
幼虫が変体時に分泌する体液は猛毒で、地球の大気では気化して毒ガスとなり、
数百万人単位での死者が出るというものだった・・・。

ゴンドウ参謀は、大気圏に突入する前に、防御衛星「ユニコーン」での撃墜を提案する。
ミヤタ参謀は反対するが、ゴンドウ参謀の数百万人単位の人間の命について問いただされると、
何も言えなかった。
フカミ総監はため息をつき悩んだ・・・。
ヒビキは、ベータ号を救出キャリアとして使用し、作業用ハッチから乗員を救出することを提案した。
ゴンドウ参謀は小馬鹿にするように、
「なにをいっとるんだ君は、そんなことは不可能だ。」
というと、ヒビキはどなった!
「やってみなけりゃわからん!!・・・と、思いますが。」
そういって、フカミの顔をしばらくみてヒビキはその場を立ち去ろうとした。
フカミはヒビキを呼び止め、そして重苦しい口調でこういった。
「ユニコーンの防御ラインに到達した時点で、我々はガゼル号を撃墜する。
 ガゼル号には私が伝える。」

その頃、ガゼル号ではシンジが地球へ救助を求めていた。
そんなシンジに船長は旧式のレーザーガンを手渡した。
「旧式だが、ないよりはましだろう。」
そういうと船長は、花の種を持った少年の方へと近づいた。
その種は少年がステーションで作ったもので、地球の大地に蒔くために持ってきたものだという。
「そりゃ、とびっきり上等な大地をさがさんとなぁ。」
船長がそういうと、少年は船長に抱きついて泣きそうな顔でこう言うのであった。
「行けるよね、地球へ。」
「もちろんだ、きっと、地球へ・・・。」

S−GUTSでは、ヒビキが隊員にゲキをとばした。
「時間がない、チャンスは一度きりだ。かかれ!」
ガゼル号乗員救出作戦は開始された!



今回は、ダイナ5作目の登場、「太田 愛」さん脚本。そしてダイナでは初登場!「川崎 郷太」監督による、
感動巨編でした!
太田 愛さんのお話は、笑わせてもらったり、ほのぼのさせてもらったり、泣かせてもらったりといつも
心に残る作品を手がけられていると思います。今回は、「少年宇宙人(第20話)」のように子供達が登場し、
そしてとっても泣かせてくれるお話でした。
このお話に、あのティガでは「蜃気楼の怪獣(第38話)」、「拝啓ウルトラマン様(第39話)」を手がけた
川崎 郷太監督のあやしいエッセンスが織り交ぜてあり、すばらしい作品に仕上がっています。
実はこの二人、ティガの「オビコを見た!(第27話)」の時も一緒だったんですね。
それ以来のコンビ復活!(^_^;)。何度もほめるようですが、ダイナの中でも傑作と呼ばれる作品になったと思います。

あのオープニングの演出がにくいですね。
サブタイトル(題名、登場怪獣名がでるところ)のバックにダイナが十字を切っている画像がありますが、
サブタイトルが終わって、カメラが引いていくと、そのダイナはガゼル号の客室に置いてあるブロマイドだった。
おもわず、「おおっ!」と叫んでしました(^_^;)。

ダイナでは、なぜか書道のシーンがよく出てくる気がしますが、なぜでしょうか?
この間の「ユメノカタマリ(第37話)」でもそうだったし・・・。
未来と古来とのギャップを楽しんでるのでしょうか??
あの、「『へ』が書けない」ギャグですが、ラストでのぼりにちっちゃく「へ」が書いてあり、
思わず「ニヤッ」とさせられ、ボロボロ出る涙がちょっとやわらいだ気がします。

乗組員のシンジがマイとの交信をし、船長の方を向くときに効果音がついていたのが笑えました。
ああいう、大げさの演出と、

 「船長!S−GUTSにすっげぇかわいい女の子が!

というセリフ。最高のノリでしたね。
しかし、さっきの書道と含めてギャグはこの二つしかないんですね。
あとは、本当に目の離せないストーリー展開でした。

花の種を持っていた少年が、船長に抱きつくところから涙が出てきそうになり、
子供達を載せた「ベータ号」を、ガゼル号に取り残された女の子がブリッジからみながら、

 「行って!

と叫ぶ。
(離れていくベータ号をみて、ちょっと古いですが「さらば宇宙戦艦ヤマト」の乗組員が、古代とユキを残して
救助艇(?)で離れていくところを思い出してしまいました。)
そして、アスカがユニコーンを撃墜しようとするが、TPCの兵器は破壊できないようになっているのか、
レーザー兵器「ジーク」は使用できず、叫ぶアスカ。
アスカに、子供達を連れて帰投するよう力無く指示するヒビキ。
窓の外を見ているフカミ・・・。
女の子はブリッジから声をかける。

 「聞こえますか、地球?

マイが答える。

 「うん、聞こえるよ。

 「弟が地球に着いたら、花の種を植えるのに一番いい大地を教えてやって下さい。

泣き崩れるマイ・・・。
ダイナに変身できない悔しさのアスカ。大気圏へ突入する。
エネルギーが充電される、ユニコーン。

もう、ここで涙がボロボロ出てしまいました。
しかし、皮肉にも「ダイオリウス」にユニコーンを破壊され、彼女と他の乗組員(実はカリヤも)助かった。
(なんだか、あらすじの続きになってしまいました・・・。)

大を生かすために小を捨てる。

これは、「決断の時(第34話)」でヒビキがコウダに究極の選択をさせるときに言った言葉ですが、
今回は、まさにこれを実行しようとしていました。
怪獣が助けたことによって、悲しい結果にはならなかった。このことを素直に受け入れられないのは
私だけでしょうか?怪獣が間に合わなかった場合、ガゼル号は破壊されていたわけです・・・。

ダイナの登場は、お決まりで登場したという感じでした。それだけ、ストーリーに力が入っていたと
いうことでしょう。
ダイオリウスはダイナと比べるとかなり大きな怪獣でしたね。

船長達持っていた旧式のガンは「ウルトラマン」「ウルトラセブン」で登場した、ビームの出るタイプでしたね。
にくい演出ですね。

「少年宇宙人」のときもそうでしたが、悲しい感じのピアノBGMが、ドラマを盛り上げていました。

子供達が、地球の大地で美しい花を咲かせることを楽しみに待っています。


来週は、レギュラン?レナ?・・・また、あの自分勝手な宇宙人の登場か!?
そういえば、「クリムゾン・ドラゴン小隊」は女性だったけど・・・。

次回予告

うたかたのそらゆめ

「死んじゃうとね、好きな人と会えなくなるんだよ。」
TPCと激しい戦闘を繰り広げるレギュラン円盤群。
なぜ人は闘い続けるのか?



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