ダイナ最新話感想

第37話

ユメノカタマリ

放映日

1998年5月23日

登場怪獣

ユメノカタマリ


脚本

村井 さだゆき

監督

服部 光則

特技監督

服部 光則


感想

ちょっと「あらすじ」を・・・。

アララギ市でゴミ回収を行っている「西岡便利サービス」は今日も大忙しだった。
西岡は、集めたゴミをゴミ処理場へと運んでいく。
そこには、自分で志願してまで管理人になり、ゴミでいろんな作品を作っていた「先生」と
呼ばれる人物がいた。
「先生」は西岡達にこういうのであった。

 「あんたら知っているか?ゴミは生きているってこと。」

彼は、このような口舌をするので「先生」と呼ばれるようになったのだった。

次の日、西岡は奇妙なものを集める。
ゴミがひとりでに集まり、固まりとなって街のあちらこちらに出現したのであった。
そのゴミをゴミ処理場へと運ぶと、先生は、ゴミが勝手にそうなった、ゴミは生きていると
またいうのであった・・・。
次の日そのゴミの固まりは、ゴミ処理場で巨大な、まるで怪獣のような形になっていた。
S−GUTSも連絡を受け出動したが、住民に危害を加えるものでもないので、
とりあえずアスカが残って警戒することにした。
アスカは「先生」の部屋へ行き、先生に強制的に緑色の液体を飲まされながら、先生の
話を聞いた。20年間ゴミと一緒に生きてきたという先生は、これはゴミの反逆であり、
捨てられ、燃やされてきたゴミが人間達に牙を向いてきたというのであった。

次の日、ゴミの固まりは空中に浮かびどんどん大きくなっていった。
TPCでは、それでも危険はないと判断しS−GUTSの出撃は見送られていた。
作戦室には、フカミ総監がゴミの固まりついての名前を書道にて発表した。
その名は「ユメノカタマリ」であった・・・。
「ユメノカタマリ」は質量をどんどん増大し始めた。
外へゴミを出しておけば「ユメノカタマリ」が勝手に回収してくれるので、
市民が、どんどんゴミを外へ出しているためであった。
そしてついに「ユメノカタマリ」は湯気を発し動き出した。
たくさんのゴミを集めた「ユメノカタマリ」は内部圧力が高まり、ついにはダイオキシンを
放出するようになった。
そして、ついにS−GUTSの出撃となった!



今回は「ゴミ」が主役です。ゴミが反乱を起こし人間達を襲います。
今回の脚本は「村井さだゆき」さんです。ティガ、ダイナでは初登場のようです。
最近では、話題のアニメ映画「PERFECT BLUE」の脚本も手がけられています。
監督(と特技監督)は「服部光則」さんで、ティガの中でも異色の作品といえる
花(第37話)」「夢(第40話)」の特技監督をなさっています
このときの監督は巨匠「実相時昭雄」さんでした。今回もカメラワークなどが実相時風でしたね。
(服部さんは、実相時さんのいらっしゃるコダイのメンバーですよね?)。
そういえば今回のゲスト、先生役の「寺田農」さんは、ティガの作品にも出演なさっています。
涙なくしてはみれない「ゼルダポイントの攻防(第32話)」そして笑いなくしてはみれない(^_^;)
夢(第40話)」です。
西岡役の「穂積ペペ」さん、懐かしかったですねぇ。穂積さんというと、私は「レッドバロン」を
思い出します(^_^;)。あれ?マッハバロンだったっけ?

TPCでも「ゴミ減量化作戦」が始められました。

 ・コピー用紙は裏表を使いましょう。
 ・書類を捨てるときはクリップを必ず外しましょう。
 ・コーヒーを飲むときは、紙コップではなく自分のマグカップを使いましょう。

など、身近にできることに関して10項目があげられているそうです。
最近の企業でもおこなっていることですね。
一見当たり前のことですが、なかなか守らない人も多いのが現状です。
しかし、この通達を出すのに全員に紙で通達を出していますが、これこそ無駄じゃないですか?
各自の部屋にはコンピュータが設置してあるでしょうから、電子メールでおこなえばいいような・・・。
まあ、それはともかくとして、一番のゴミ減量になる作戦はやはり、

 「ガッツイーグルは墜落させないようにしましょう!

ですよね?(^_^;)分かってるか、アスカ!!

「西岡便利サービス」の張り紙にはこう書いてありました。

 「格安!親切! この道一筋20年 年中無休で営業しております まずお電話下さい

確か、ゴミ処理場の管理人の「先生」も20年間ゴミと暮らしているから、先生と西岡は
ゴミと共に生きてきた同士なのですね(^_^;)。

しかし、アスカが先生の家で飲んでいた緑色の液体、何でしょうね?
アスカでなくても、あんなゴミ処理場にある家で、緑色の液体を飲まされたら心配になって
しまいますよ。ゴミから抽出したダイオキシンじゃなきゃいいけど・・・(; ;)(^_^;)。

ゴミの固まりを「ユメノカタマリ」と名付けたTPCには、非常にメルヘンチックなものを感じました。
ゴミは、ゴミと名付けられる前にはそれぞれ名前があったのです。練習してやっと乗れるようになった自転車、
一生懸命勉強したパソコン、彼女と愛を語り合った携帯電話・・・。それらは新しい物へと買い換えられ、
いらなくなり、ゴミという共通の名前がつけられてしまう。
しかし、そのゴミ達は、たくさんの思い出を封印しているのでした。
ところで、フカミ総監はどうして半紙に筆を走らせ、名前を発表しなければならなかったのでしょうか??

ユメノカタマリはついに怪獣へと変貌しましたが・・・なんだかよく分からない形でしたね(^_^;)。
そうそう、変身したときのダイナの右手がアップになりましたが、ちょっとササクレていたのが残念です。
過酷な特撮シーンをくぐり抜けてきたのをみせる演出だったりして・・・。

最後に、怪獣が空中で爆発して灰になりました。

 「その雨、いやそのゴミは、それから一週間街に降り続いたそうです。

ということでしたが、ダイオキシンが充満しきっていたゴミの固まりが爆発した灰は有毒ではないのですかね?
街の人々は傘をさして歩いていましたが、それでいいの??

日本のゴミの年間排出量は6千万トン以上で年々増加しているとストーリーの中でも語られて
いるように、とにかくゴミだらけの社会です。
できるだけ使った物をゴミにしないような工夫をして、再利用するように心がけなければいけない
のでしょう。とはいうものの、物が氾濫し低価格で手に入る世の中。
例えば電化製品なんか安い物を買って、それが壊れたとしたらそれを修理するほうが高くついてしまう。
結局新しいものを買った方が安い。
また、携帯電話などは本当は何万円もする電話が、電話会社の戦略で無料で配布されたり、数千円で売られたりする。
物の価値がどんどんなくなっていく。特に若い世代はこういう状況に慣れてしまっているのではないでしょうか?
そういう、使い捨ての、物の価値が分からないようなの社会の仕組みにも問題があるのではないでしょうか?
ゴミを減らすということも大事ですが、物を再利用する方法を考えるのも大事ではないでしょうか?
幼稚園や児童館などでは、よくバザーを開催していらなくなった物を格安で必要な人に分けています。
それとガレージセールなんかもあちこちで開催されています。
使える物はすぐゴミにせず、そういう場所へ出してみてはいかがでしょうか?


さて、次回は巨匠「実相時昭雄」監督の登場です!

次回予告

怪獣戯曲

上がった幕はもう下りない。この世が地獄に変わるまであなたは演じ続ける、怪獣戯曲を。
もうこの幻から逃れられない・・・。



ウルトラマンダイナファンのホームページへ