ダイナ最新話感想

第33話

平和の星

放映日

1998年4月25日

登場怪獣

メノーファ
ナルチス星人


脚本

長谷川 圭一

監督

小中 和哉

特技監督

佐川 和夫


感想

ちょっと「あらすじ」を・・・。

より攻撃力に特化した新型アルファ号、「アルファ−S」のプレス発表会で、
ハスミという記者は、戦力増強に向かっているS−GUTSに不満を漏らした。
ヒビキ隊長は、ハスミの辛口の批判記事を読んでいるといい、避けることのできない
戦いのためなのだという。人間の未来と正義を信じて・・・。
そんなTPCの今の方向性に疑問を抱いているハスミの家に、突然ソノカという
少女が「ステラ」という捨てられ猫をつれて現れた。
ハスミは「ローラーキッズ」というローラースケートで街を走るグループに所属していたが、
一緒だった仲間が、突然優等生に変身してしまったという。
その謎を突き止めようとしていた、リーダーのショウまで変わってしまったのであった。
ソノカは、記者であるハスミに調査して欲しいというのであった。
とりあえず、調べることにしたハスミであったが、ショウのまわりの人間達を取材するに
つれて、だんだんとショウという人間の実像がぼやけてきていった。
ハスミとソノカは、ショウがレストランで家族仲良く夕飯を食べているところを写真に撮っていた。
ソノカは

 「絵に描いたような家族の団らんよね。気味悪いわ。」

という。そんなソノカにハスミは怒るのであった。

 「親と子が一緒にいない方が不自然なんだ!」

ハスミにも家族があったが、今は別々に暮らしているのであった。
結局、ハスミとソノカは喧嘩をし、ソノカは出ていってしまった。ステラを置いて・・・。
次の日、ハスミのところにソノカから電話があった。
お化けが出るという噂の倉庫へ行ってから、みんながおかしくなったと分かったソノカは、
自分がその倉庫に入るところだという。
ハスミはさっそくその倉庫へと向かった。
その頃、その倉庫近くでアルファ−Sの最終テスト飛行をしていたアスカは、妙な電波反応を
検知し現場へ向かった。
ハスミが倉庫につくと、ソノカは突然こんなことを言いだした。

 「今までの話、全部ウソだったんです。口うるさい父を困らすための目的だったの。
  ありもしない宇宙人の話をでっち上げて、父と仲の悪い人を選んで探偵ごっこして。
  そのうち、こうして私を迎えに来てくれるのを待ってただけなんです。」

ハスミの後ろに一つの影があった。ヒビキ隊長であった。
ヒビキは個人的にハスミを尾行していたのだという。
ソノカは、ヒビキの胸に抱きついた。

 「ごめんなさい、お父さん!」

ソノカの父は、ヒビキであった。
ヒビキはハスミに謝り、ソノカと一緒に帰ろうとした。
ハスミは思いだし、ソノカの忘れ物である猫のステラを渡そうとした。
ところがソノカは、「やめてよ!臭いがつくでしょ!」と手で払うのであった。
ハスミは驚いた。

 「おまえ、ソノカじゃないな?」

その時、アスカが倉庫へ現れた。
そして突然発せられた、超音波で全員気を失ってしまったのであった・・・。



新型メカの登場で、ますます盛り上がりを見せるウルトラマンダイナです。

今回は「記事」や「写真」が効果的に使われていました。
ハスミの部屋にあったもので気づいたのは、以下のものです。

 ・TPC広報からマスコミ向けに出された「アスカ・シン」のS−GUTS新入隊員のお知らせ
 ・新聞の切り抜きで、????年2月8日(日)付けの一面トップ記事
  「サワイ前TPC総監 火星基地訪問」
 ・ヨシオカ警務局長と、ヒビキ隊長とのツーショット(ヒビキ、警務局勤務時代か?)
 ・ティガの戦闘シーン
 ・GUTSメンバーの写真

ダイナの1話でフカミ総監が火星基地で、「サワイ総監が体調がよくなったら、訪問したい」
といっていたのですが、その後訪問したことが分かり、胸のつかえがとれたようでした(^_^)。
ヨシオカ警務局長の姿も久しぶりに見られて、とてもうれしかったです。
ほんの少しながら、GUTS隊員の姿もダイナでおがめるなんて!
ティガファンにはたまらない演出でしたね。

ハスミがソノカに何か食べさせるために連れていったお店は、あのティガでも有名なお店でした(^_^)。
今回の脚本を手がけられている、おなじみ長谷川圭一さんにも思い出深いお店であることでしょう。
あのお店には、ポラロイド写真が貼ってあります。
エンディングロールで登場したそのうちの2枚は、
ウルトラマンティガの「吸血都市(第33話)」で撮影されたものです。この時の脚本も長谷川さんでした。
エンディングロール最後のポラロイド写真を見たときは鳥肌が立ったのと同時に、ニヤリとさせられ
ました。そのポラロイドに写っていたツーショットは、

 「ハスミとオノダ

でした。オノダさんはティガで吸血都市や「怪獣が出てきた日(第5話)」に登場した、ハスミ同様に
新聞記者でした。・・・ハスミはオノダの後輩なのでしょうか。

そうそう、エンディングロールであの店のカウンターに座っていたアベックがいましたが、
男の人は今回の監督であり、映画「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」の監督でもある、
小中 和哉監督ですよ、きっと!
ここのところ、いろんな監督がさりげなく登場していますね(^_^;)。
ヒッチコック状態です(^_^;)(^_^;)。

TPCの武装については、ティガの頃から問題視されていたものでした。
しかし、今回ヒビキ隊長が言ったようにニューフロンティア時代になり、未知なる恐怖に
立ち向かうためには、やはり「避けることのできない戦い」があるのでしょう。
しかし、過剰なまでに武力増強することは、自らの破滅をもたらすことを忘れてはならない
ことだと思います。TPCを通して、現代社会に対しても警鐘を鳴らしている、私はそう
とらえました。

若者達の「怒り」と「憎しみ」を取り除く方法があるのだとすれば、今多発している青少年達の
悲しい事件はなくなっていくかもしれません。
しかし、本当は若者達の怒りと憎しみをなくすのではなく、ヒビキのように
受け入れることのできる大人」が必要なのだと私は思います。
大人の子供を理解する力の欠如から起きている社会問題。今の大人の前の大人達から積み上げられて
きたものが、今爆発してきているのではないでしょうか?
今回のダイナは子供達にではなく、このページを読んだりウルトラ掲示板に書き込みをしてくれて
いるような「大人達のためのダイナ」であったと思います。
そういう意味では、映像でティガのものが出てきただけではなく、ストーリー自体「ティガ」風で
あった回ではないでしょうか?
非常に楽しませていただきました。(小中 千昭さん、関係してません?(^_^;))

ハスミ役の渋谷 哲平さんもよかったですねぇ。ついアイドル時代を思い出してしまいますが(^_^;)。
この後も、ぜひキーマンとしてダイナに出演して欲しいと思います。
しかし、ヒビキ隊長に娘がいたなんて!・・・本当、父親に似ないでよかったですよね(^_^;)。
ソノカちゃんもまた登場するかな?


さて次回は、ウルトラマンレオの惨劇が再び!?

次回予告

決断の時

隊長かTPC基地か、それが問題だ。
刻一刻と迫り来るTPC基地全滅の危機。コウダは究極の選択を迫られた!


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