ダイナ最新話感想

第21話

発熱怪獣3000度

放映日

1998年1月31日

登場怪獣

ソドム


脚本

古怒田 健志

監督

北浦 嗣司

特技監督

北浦 嗣司


感想

ちょっとだけ「あらすじ」を・・・。

TPC本部は、真冬にも関わらず猛烈な暑さにみまわれた。
コウダ、アスカ両隊員は、司令室でのびていた。彼らはナカジマ隊員と3人で
暑さの原因を調査していたが、「暑い!」を連発している二人に、ナカジマはイライラして
怒ったのであった。室温は36.5度。まるで人の体温のようであった。
リョウ、カリヤはパトロールと表して基地を抜け出し、まるで冬を実感するかのように
ゼレットで温かいコーヒーを飲んでいた・・・。
司令室へやってきたヒビキ隊長は、たるんでいる二人に説教していたが、その横を
通り過ぎるマイ隊員の姿に驚いた。冷たいジュース片手に、まるで夏のリゾート地に
来たような格好で、おまけに室内にビーチパラソル、サマーベッドを持ち込んでいた!

ようやくナカジマ隊員が異常高温の原因を突き止めた。なんとTPC基地地下13階付近に
2500度の熱を発している怪獣がいるためだったのだ。
怪獣を退治するための作戦を立てるため、フカミ総監、ミヤタ、ゴンドウ両参謀と
映像回線を通じ話し合った。その結果、500度にも達する地下13階で、怪獣が遮っている
廃熱パイプを切り替え冷凍ガスを流し込み、怪獣を冷やすことにした。
・・・そうやって話し合っている総監、参謀たちは足下のタライに氷を入れてもらい、
涼しそうに話しているのであった・・・いや、冷たそうであった・・・。
リョウとアスカが廃熱パイプの切り替えレバーを操作することになった。
耐熱スーツに身を固め現場に行くと、そこでは怪獣がTPC本部の壁を突き破り、
顔を出して寝ているようだった。
アスカが問題のレバーを下げようとしたが、全然動かない。そうしているうちに怪獣が
目を覚まし、突然炎を口からはき出した。リョウが気づき二人は難を逃れた。再度レバーを下げるが
やはり動かない。イライラしてレバーを上へ蹴り上げるとすんなり動き、再度炎をはこう
としている怪獣めがけて冷凍ガスが噴出された。怪獣は慌てて地上へ飛び出した。
「コネリー07」で上空を飛んでいたカリヤは驚いた。その怪獣は、以前本で見かけた火の神の使い、
「ソドム」にそっくりだったからだ。ニューギニア火山地帯に伝わる伝説の怪獣ソドムは、火の神の怒りを
鎮め、人々を噴火から救う守り神であるというのだった。
しかし、5km先にはアサヤマ市があり、人々の安全を守るために怪獣を退治することになった。
方法は、怪獣を冷却弾で冷やし、そのうえ放水し怪獣の体温を下げるというものであった。
しかし、作戦は失敗してしまう。なんと怪獣の体温は下がるどころか2500度から3000度に
上昇してしまったのだった!!



いやぁ、今回は何と言っていいのでしょうか?
話の基本としてはギャグなのですが、怪獣を敵としてみるだけではなく、同じ地球の生き物
としてみてみよう、という意味が込められているように思えました。

しかしギャグの連発で何を書いていいのか・・・(^_^;)。
とにかく印象に残ったギャグを列記してみますと、

 ・アスカが「水道からお湯しか出ない」と聞いたヒビキは「風呂を沸かす手間が省ける」という。
 ・マイのトロピカル姿。
 ・高熱の原因究明をしていたナカジマは金太郎の腹がけをしている。
 ・フカミ総監、ミヤタ、ゴンドウ両参謀たちは、上半身だけまともで下半身はタライに凍り入りの
  水に足をつっこんでいた。


などなど、あげればきりがない・・・。
ミヤタ参謀はTPCの扇子で扇いでるは、氷を持ってくる桶や、足をつっこんでいる
タライにまでTPCのマークが入っているなんて、この徹底の仕方には感心させられました。

パトロールといって基地を抜け出したリョウ、カリヤ隊員ですが、リョウがコーヒーを買ってくるまで
カリヤはゼレットでヘッドホンしながらクラシック聴いてるし。
おまけに買ってきたコーヒーはカップに入った本格的なコロンビアコーヒーだし。乾杯してるし・・・。
本当に、地獄から抜け出した優雅さを感じさせますねぇ・・・って、いくら暑いところから抜け出したからって、
パトロールぐらいちゃんとしろ!(^_^;)
しかし、クラシックを聴いているところなんか、カリヤ隊員らしいですね。

怪獣が地上に出てきたときに、冷凍弾と水で体を冷やしますが、逆に体温が上昇してしまう。
これをどうやって説明するのか期待していると、なんと「怪獣は風邪をひいていた」!!
これは、まったく予想していったことで驚きました。
しかし、なるほど地球に住む怪獣は、人間と同じ地球上(内?)で育ってきた生物なのだから、
我々と同じように風邪をひくこともあるかもしれない。
「火の神の使い」という想像的な部分と、「風邪をひく」という現実的な部分を怪獣に併せ持たせる
という、非常におもしろい設定であったと思います。
ソドムが地の神の使いといわれる由縁が、

 「火山の中に住み、マグマによってつくられた変成岩を食べながら穴を掘っていき、その穴にマグマが
  流れ込んでいく。そうやって火山の噴火する圧力を下げる。


という設定にも、合理性を感じ感心させられました。

アスカが変身するときに「ダイナー!」って叫びます。
今回は、気合い入ってましたね。
しかも、怪獣を火山へと帰したダイナが、リョウの乗っているベータ号へ最接近します。
ダイナになったアスカのいたずら心を感じると同時に、なんかリョウに対する気持ちも・・・?

今回のストーリーのまとめとも言えるナカジマのセリフがあります。

 「科学や常識にとらわれ、想像することを忘れていたんです。

ナカジマは、ソドムが伝説の怪獣であることを信用していなかったし、2500度という高温を
発することもあり得ないと言い続けていました。
今までにも、何かあるごとに「あり得ない!」を連発していたナカジマでしたが、それは科学的
根拠、常識に基づかないものを否定し続けていたわけです。
今回、彼の口からこのようなセリフが発せられたことによって、今後ナカジマの考え方がどう変わるか
楽しみにしたいところです。

話は違いますが、
最近「想像する」「空想にふける」ことを忘れている子供達が増えているのではないでしょうか?
最近の子供は「想像する」というより、「妄想にとらわれる」という感じがしてなりません。
ここのところ、少年が殺人を犯す事件が多数起こっています。
心が荒んでしまっているのではないでしょうか?
その昔「ネバーエンディングストーリー」をみて、この映画は「想像する」ということを子供達が
忘れてしまい、純粋な心がもてなくなっているということに警鐘をならしていると思っていました。
その警鐘が無視され、想像の世界は崩壊していき、現在は・・・。

このダイナのストーリーが、子供達の豊かな想像力に刺激を与えてくれることを願っています。

エンディング曲の「ヘイ!」の部分と「レバーのケリ!」の部分がタイミング良かった・・・(^_^;)。

あ、そうそう。やっぱり最後のナレーションも書いておくことにしましょう。

 「寒い日が続きます。みなさんも風邪にはくれぐれもご注意下さい。


次回は、片桐はいりさんがゲスト出演のようですね。楽しみです!
次回予告

ツクヨの兵士

伝説の兵士ツクヨの守り神「モズイ」。
リョウの親友アヤノは遺跡に隠されたモズイの秘密を発見するが・・・。

また映画鑑賞券プレゼントだ!
郵便番号が7桁になりました。お間違えのないように!


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