ダイナ最新話感想

第20話

少年宇宙人

放映日

1998年1月24日

登場怪獣

ラセスタ星人


脚本

太田 愛

監督

原田 昌樹

特技監督

原田 昌樹


感想

ちょっとだけ「あらすじ」を・・・。

無人探査船「テト」が、氷の惑星「ラセスタ」の消滅を偶然記録する。
その模様は地球のニュースで放映された。
サトルはその朝、母から自分達が「ラセスタ星人」であることを知らされる。
サトルは、その日の放課後、秘密基地に集まった友達、たっちゃん、みのっちに
自分がラセスタ星人であることを打ち明ける。
その日の夜、たっちゃんとみのっちは、サトルがさびいしいだろうと察し、
サトルの家に行く。そこでサトルからラセスタ星人の話を聞く。
ラセスタ星が氷河期に入ったとき、ラセスタ星人はいろんな星へ散らばり、
その星の種族と同化した。
ラセスタ星人は母星を離れるときに、二つの約束をした。
一つは、いつか氷が溶けたときにラセスタ星へ戻ること。
もう一つは、ラセスタ星が消滅したときに、その年にラセスタ周期5歳(地球では
10歳)の子が、約束の場所に集まり、新しい母星を探しに行く、
ということであった。
サトルは10歳であった。そして、明日の夜、約束の場所であるトナカイ座のイリスへ
旅立たなければならなかった・・・。
3人はしばらく沈黙する・・・。
そして、サトルが地球の代表だということから、地球のことを他の仲間に教えるため、
地球の勉強を始める。
そのとき、サトルは気がゆるんでラセスタ星人に変身してしまう。
「異生命体反応」を検知していながら、反応がわずかだったため他の隊員にも信じて
もらえなかった、スーパーGUTSのナカジマ隊員だったが、この時は長い異生命体反応を
検知したため、ナカジマ、カリヤ、アスカでサトルの家へ向かう。
サトルは、お母さんからのテレパシーでスーパーGUTSが来たことを2人に知らせ、
あわてて人間の姿に戻る。
スーパーGUTSが、サトル達のいる部屋へ突入したときには、サトルはすっかり元に戻り、
なんと3人で囲碁(五目並べ)をしていたのであった。
「ごめんね、びっくりしちゃったねぇ!このおじさんが間違えたんだからねぇ!」
カリヤがナカジマを指さし、子供達にいった。
しかし、アスカにはサトルが宇宙人であることが分かっていた・・・。



この前の感想で、「太田愛さんのほのぼのシリーズ」なんて書きましたが、今回は感動しました。
太田愛さんの書かれるストーリーは、「現代の童話」といってもいいぐらい、すばらしいお話が
多いです。私が太田さんのファンであることは、いうまでもないでしょう。

今回は、10歳になる3人の男の子達の友情のお話でした。
ラセスタ星の消滅が、3人の子供達の運命を変えてしまう。それがハッピーエンドではないが、
それでも友情で結ばれ、前向きに考える子供達のすばらしい姿がそこにはありました。

異生命体反応を検知し、サトル達のいる部屋へ突入するカリヤ、ナカジマ、アスカですが、
なぜかカリヤだけゴロリと一回転して出てきます。
刑事ドラマじゃないんだから・・・。
でも、その後のカリヤのセリフが傑作ですよね。

ごめんね、びっくりしちゃったねぇ!このおじさんが間違えたんだからねぇ!

ナカジマおじさん(^_^;)は、狼少年状態でした(^_^;)(^_^;)。

子供達は、サトルが突然ラセスタ星人になっても分からないようにと、帽子、サングラス、長いコート、
長いマフラーで体のすべてを覆い尽くしていましたが、これが逆に目立ってしまう。
そして、ついには子供達全員で同じ格好をして、怪しさを1/3にする・・・つもりが3倍怪しい。
ほんと、子供が考えそうなことで感心しました。

アスカはサトルが宇宙人だということに気づいていました。
神社でしょうか、境内でサトルとアスカがテレパシーで会話をします。
ウルトラセブンの「盗まれたウルトラアイ(第37話)」でダンがマヤと、やはりテレパシーで
話すシーンを思い出しました。
しかし、今回のアスカは、かっこよかったですね。
他の隊員がコミカルだったり、勘違いをしている中、アスカだけが確信を押さえてサトルを助けてやる。
アスカは、いいキャラクターに育っています。

特撮シーンです。
ラセスタ星人になって巨大化したサトルが、なかなか飛び立てなくて、スーパーGUTSにおびえて
ついには超伝導研究所施設を破壊してしまいます。それを、まるで積み木を組み直すかのように
直そうとするラセスタ星人が、なんともかわいかったです。
ダイナとラセスタ星人が向かい合って、またテレパシーで語り合います。旅立ちをおそれている
サトルにダイナになったアスカがこう語りかけます。

 「君の未来は誰にも分からない。それは君が作っていくからだ。

大人になったアスカが垣間見える一言でした。
そして、今回の目玉はラセスタ星人に羽が生えて来るシーンでしょう。とてもきれいでした。
特撮シーンでのBGMは、ピアノのBGMで、コミカルなシーンの中に悲しさを誘う雰囲気を
出し、3人の別れのシーンを美しく描いていました。

残された、友人である「たっちゃん」と「みのっち」が、学校の宿題であった「僕の未来」について
ついに答えを出します。

 たっちゃん「宇宙飛行士になってサトルに会いに行く!
 みのっち 「科学者になってロケットを作る!

エンディングテーマのバックで、3人で撮った写真が出てきて、最後にいつも遊んでいた
秘密基地に書いてある落書きが映し出されます。

 「まってろよ たつお みのっち

きっと彼らは夢を実現し、いつの日か再会し、3人の友情を確かめあうことでしょう。

サトルが旅立つときにお母さんは、寒いからといって温かいミルクを飲ませてやり、
サトルにこういいます。

 「おまえはどんなときも、お母さんの誇りよ。

サトルのお母さん役でゲスト出演された、石井めぐみさんですが、ご自分のお子さんは
出産時の事故で障害を持たれています(ご自身の体験談の本も出版されています)。
そんなことを思ってみていたせいでしょうか、このセリフが妙に印象に残りました。
どんなことがあっても、親にとっては子供は「誇りである」。
胸が熱くなりました。


次回は、おや?マイ隊員がトロピカルなかっこう?
この話は、ウルトラセブンの「零下140度の対決(第25話)」の逆パターン??

次回予告

発熱怪獣三千度

原因不明の蒸し風呂状態に陥ったTPC基地。
その怪獣は、火の神に仕えるという伝説の怪獣「ソドム」なのか?


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